ROEより「経済資本」

2006年8月号 連載 [隗より始めよ]

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 企業の究極の目的は自社の企業理念の達成を目指す中で継続的に価値を創造することであろう。そこに企業が社会的に存在する意義がある。 企業の価値創造とは利益の計上である。その多寡は株主資本額に対する比率(株主資本利益率、ROE)で計測することにより企業規模の大小を捨象して比較することができる。 利益は従業員や社会等の株主以外のステークホルダーに必要なリターンを与えた後の残余の価値創造額であるから、国民経済的に見ても、多い方が良いことは言うまでもない。 そのことと、ROEは高ければよいということとは、必ずしも同じ意味ではない。 ROEを向上させる最も簡単な方法は自社株買いである。余裕資金による自社株買いのみならず、借金による自社株買いでもROEが向上することが普通である。支払金利額の増加による利益減少効果よりも分母である株主資本額の減少効果の方が大きくな ………

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