編集後記

2006年7月号 連載 [編集後記]

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 古代ギリシャには陶片追放(オストラシズム)という「村八分」制度があった。都市から排除したい人の名を陶片(オストラコン)に記す秘密投票制度で、一定数に達すると追放されたという。それを聞くたびにユダヤ教会の破門状を思いだす。今から350年前の1656年7月27日、一人の青年に布告された。 ▼「彼は昼に呪われてあるべし、夜に呪われてあるべし。寝るときに呪われてあるべし、起きるときに呪われてあるべし。出て行くときに呪われてあるべし、帰り来たれるときに呪われてあるべし。主は許さんとはなしたまわないであろう。主の怒りと憤りはこの者に燃えあがり、掟の書に記されているいっさいの呪いをこの者に投げたまわん。主は彼の名を太陽の下から滅せられん。(中略)何人も口にも書にも彼と交わることなかれ、何人も彼に好意を示すことなかれ」 ▼奇しくも破門の前日、50歳の画家レンブラン ………

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