村上ファンドの「原罪」

「モノ言う株主」とは別の顔がある。中古車販売のジャック株、平成電電のドリテク株ではあざとすぎた。

2006年7月号 DEEP [ザ・スクープ]

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 東京証券取引所の記者会見室は狭い。むせるような熱気のなかで村上世彰は冗舌だった。「聞いちゃった」発言は歴史に残るだろう。「ライブドアがどこまで買うか、私には関心がなかった。でも、その話(堀江貴文社長、宮内亮治取締役がニッポン放送の経営権を欲しがっていること)を聞いちゃったんでしょ、というわけです。聞いてしまったことが証券取引法167条にかかるのだろうかと考えてみた」「私の方から、検事さんのおっしゃる通りかもしれないと話した。プロ中のプロとして認識が甘かった点については、私自身が罪を認め、それを甘んじて受けるのが、私がやるべきことと判断した。(中略)そうしないと自分の生き方に反する」 千慮の一失──彼はそう見せたかったのだろう。だが、自らを擬した「モノ言う株主」とは、彼のいくつもあった顔の一つにすぎない。 かつて「モノ言う株主」とは、仕手、 ………

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