嘆かわしきオペラの殿堂「新国立」

初の外国人監督が大誤算。あの佐藤しのぶに不評の嵐。

2006年7月号 DEEP

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 日本の舞台芸術の殿堂、新国立劇場(東京・渋谷区)が、来年の開館10周年を前に苦境に立たされている。肝心のオペラのチケットがさっぱり売れないのだ。問題の根は、日本人のオペラ鑑賞のあり方につながるだけに、関係者は頭を抱えている。「新国立劇場が身売りを検討しているらしい」。昨年秋ごろ、国内オペラ団体幹部の間で、まことしやかな憶測が飛び交った。だが、それはあながち「悪い冗談」でもなかった。およそ半年前から、オペラ公演のチケットの売れ行きが目に見えて落ちていたからだ。なかでも昨年5月末から6回上演された「楽聖」ベートーヴェン唯一のオペラ「フィデリオ」の有料入場者率は、なんと60・3%。「新作の日本語オペラを除けば記憶にない」(劇場関係者)ほどの低水準で、オペラ業界の関係者の間では「本来なら集客を見込める『プレミエ』(新国立で初めて上演される演目)でこ ………

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