オークションが盛況だが、間違っても平山郁夫なんぞ買うなかれ。
2006年7月号 DEEP
日本の絵画市場が元気を取り戻しつつある。活気を吹き込んでいるのがオークションだ。新しい競売会社が相次ぎ誕生し、05年の落札総額は180億円とバブル期以降の最高額を記録した。ただ、このオークション市場の盛況が、評価システムの欠如やバブル期の高値買いといった日本の美術市場の脆弱性を浮き彫りにする皮肉な結果ともなっている。 欧米では古くからオークション・マーケットが発達している。サザビーズ、クリスティーズなど200年以上も続く競売の落札記録によって作品評価の指標が形成されてきた。制作年代、サイズ、モチーフ、技法、保存状態などあらゆる角度から作品が検討され、公開オークションで値段がつけられた。
一方、日本では、業者だけで構成する「交換会」という密室の取引で絵画の値段が決定されてきた。そこでは、一般愛好家の好みやニーズは反映されない。優先されるのは ………
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