細川護煕「心の命ずるままに」

2006年7月号 連載 [硯の海 当世「言の葉」考 第3回]

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「政治コラムニスト」なのだから、そろそろ政治の話を、と編集者がこだわる。最初の芭蕉の話も、前回の八木重吉も、政治の話を避けようと思って書いたわけではない。いまの政治に欠けているのは、あのような「感動」ではないか、と考えているので、やや言い訳めいてくるが、政治への反語のつもりなのだ。政治を直截に表現するのは、いかにも品格に欠けるようで気がすすまない。 そんなことを考えているときに、細川護煕さんに会った。陶芸家細川さんの個展を見に行って、会った。向かい合って二人だけで会ったのは総理になる直前だったから、13年ぶりということになる。中学生ぐらいのときに少しばかり好きだった同級生の女の子に、成人してから会ったときのような、何とも言えない懐かしさだった。「すっかりごぶさたしました」「こちらこそ。政治の関係の方とはほとんどお会いしていなくて」 口を少 ………

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