絶滅危惧種か「日本人船員」

2006年7月号 連載 [「軍略」探照灯 第3回]

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 第2次大戦での日本の敗因の第一が「海運の途絶」であったことはあまり知られていない。1941年12月の参戦時に638万総㌧あった日本商船は終戦時に147万㌧(23%)に減り、輸入量は41年の4872万㌧が、45年は8月までで771万㌧に低下した。日本が確保したボルネオ、スマトラ等の油田では44年に672万㌧もの石油生産があったが、米潜水艦がタンカーを最優先目標としたため、同年に本土に着いたのはその僅か17%の113万㌧。この結果、参戦時に411万㌧あった石油備蓄は終戦時には2万㌧しか残っていなかった。戦前の日本本土は食糧の約20%を台湾、朝鮮、満州、東南アジアからの輸入・移入に頼り、41年には337万㌧が本土に運ばれたが、44年には119万㌧(35%)に減少、45年には港湾に対する機雷投下で食糧すら、ほとんど入らない状態となって降伏した。 一般には敗戦はB29などによる爆撃、原爆、ソ連参戦の結果 ………

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