EU東方拡大でヒトは西方大移動

2006年7月号 GLOBAL [グローバル・インサイド]

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 マルクスがいま生きていたら「欧州を低賃金労働者という名の妖怪が徘徊している」と喝破するかもしれない。2004年5月の欧州連合(EU)東方拡大で「新規加盟国からの安い労働力が大量に流れ込む」と旧加盟国は警戒したが、東から西へヒトが大移動する滔々たる流れが定着した。 社会保障目当ての入国を懸念した英国政府は、マルタとキプロスを除く新規加盟国から来た労働者の登録計画を導入し、門戸は開放するものの一部の制限を加えた。しかし、年間1万3千人ほどの登録予想が外れ、06年3月末までの登録申請は39万2千人に上っている。ただ、懸念されていた失業手当を申請する者は少なく、むしろ人手不足が深刻なサービス業、建設業、農業、医療など専門職も含めた分野で活躍し、英国経済に貢献をしていると歓迎されている。しかし最近、英国では新規加盟国の労働者が甘言に騙され、劣悪な条件で働かさ ………

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