刮目すべし「麻生外交」の対中シグナル

2006年7月号 連載 [手嶋龍一式INTELLIGENCE 第3回]

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 政治家の見立てはむずかしい。麻生太郎というひとを見ているとつくづくそう思う。重心が高く、それゆえに失言が多い――。これが日本の政治ジャーナリズムによって描かれてきた麻生太郎像だった。だが、外交を委ねられたこの保守政治家はいま、これまでとは違う貌を見せ始めている。にもかかわらず、メディアは使い古したプリズムで同じ見立てを流し続けている。 麻生自身も多くの責めを負っている。メディアとまったくといってよいほど対話ができないのだ。少年時代に祖父である吉田茂首相のもとに押しかけた政治記者たちのバーバリズムにすっかり嫌気がさしてしまったためだという。本人も「新聞は読まない」と言うほどだ。このため講演会ではつい聴衆と直接対話を試みてしまう。それは間接民主制の煩雑さに耐えかねた政治家が直接民主制の誘惑に駆られるさまに似ている。 ところが、その一問一答も ………

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