米ロ「新冷戦」に潜む暗闘

ネオコンは独ロ枢軸の分断を画策したが、対イラン直接交渉の「グランド・バーゲン」の前では遠吠え。

2006年7月号 GLOBAL [パワーゲーム]

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 5月4日、バルト三国の一つリトアニアの首都ビリニュスで、アメリカのディック・チェイニー副大統領が極めて異例の演説を行った。副大統領は国際会議(リトアニアとポーランドの両大統領が共同議長)に出席するため同国を訪れたのだが、ロシアのウラジミール・プーチン大統領の国内政策と対外政策を激烈な口調で批判したのだ。 プーチン政権は、国内の民主化を著しく後退させ、豊富なエネルギー資源を外交上の武器にして近隣諸国を威圧している……と。 翌日付のロシア有力紙コメルサントの記事は世界を震撼させた。チェイニーのビリニュス演説は、米ソ冷戦の開始を告げたチャーチル「鉄のカーテン」演説の再来か、というのだ。第二次大戦が終わって間もない1946年、英国のウィンストン・チャーチル前首相が米ミズーリ州フルトンで行った「バルト海からアドリア海まで鉄のカーテンが引かれている」と警 ………

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