当局がマークする常習犯。その悪行は談合やヤミカルテルに止まらない。
2006年7月号 BUSINESS
5月12日、大阪証券取引所でクボタは決算発表の記者会見を開いた。2006年3月期は農機や建機、エンジンなど主力の内燃機器関連事業が好調で連結売上高は1兆円の大台(1兆510億円=前期比6・9%増)に乗り、リストラ効果で連結営業利益も1135億円と最高益を更新するという文句の付けようのない内容。だが、例年になく同社の決算会見に人だかりができたのは好業績のためではなかった。関西で健康被害が広がっているアスベスト(石綿)問題について、幡掛大輔社長の生の声を取材するのが、詰めかけた多くの記者の目的だった。「患者らが苦しんでおり、水俣病などのように裁判で何十年もかけたくなかった」「企業の社会的責任として果たすべき課題に、引き続き正面から取り組んでいきたい」 質疑応答での幡掛のコメントはなかなか奮っていた。 それもそのはず、同社は旧神崎工場(兵庫県尼崎市)の周辺で ………
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