2006年6月号 連載 [編集後記]
どういうわけか、最近、知人が相次いで食道がんに倒れた。大学時代の友人は4月に難しい切除手術を受けた。「おかげさまでなんとか生還できました。術後の回復も順調」という退院のメールが届いて、ひとまず安堵した。まだ声が出ないらしく、あとは快癒を祈るほかない。 ▼古巣の日本経済新聞で世話になった竹谷俊雄元専務も、食道がんで逝ったという訃報が届いた。ほうっ、ほうっ、ほうというあの独特の笑い声が、どこかで聞こえるような空耳。こちらがとんがって「ダラ幹」などと憎まれ口をたたいても、あの鷹揚な笑いで受け流していたのが懐かしい。弔辞で耳に残った「塚も動け」の言葉は、本誌コラム「硯の海」初回でも引用された芭蕉の名句である。 ▼「ひとつの人生」(89ページ)の元「天声人語」子、小池民男氏も、食道がんで逝った一人である。六本木のバーで何度か隣り合わせた。新聞記者気 ………
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