「空爆」ちらつかすワシントン影絵芝居

強硬派と対話派が刺しあい。イランと「秘密交渉」説も。

2006年6月号 GLOBAL

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 アメリカのブッシュ政権が、2002年9月に発表した政策文書「米国の国家安全保障戦略」の改訂版を公表したのは、この3月16日である。 中期的な米国の安保政策の理論的主柱である同文書は、核開発問題が深刻化するイランを「単一国家として最大の脅威」と位置づけた。同時に、先制攻撃戦略を堅持することも明示したため、「米国はイランに対して先制攻撃を行うつもりではないか」との憶測を呼んだ。 しかしハドリー米大統領補佐官は同日、イランの核問題は国際協調に基づく外交解決を優先させる考えを強調し、先制攻撃戦略とイラン核問題を直接結びつける議論は「完全な誤りだ」と説明した。 しかしこうした懸念は単なる「憶測」として片付けきれない。イランの核開発施設を限定空爆するという「外科手術的な攻撃」(surgical attack)計画が立案され、核の脅威の「患部」を切除してしまえという説が ………

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