鹿島――豹変する「談合業界の盟主」

「公共土木の受注がゼロになっても構わない。談合をやめてくれ!」中村社長自ら社内で檄を飛ばしている。石川六郎亡き後、何が起こったか。

2006年6月号 BUSINESS [企業スキャン]

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 今年3月2日、新聞各紙の社会面の片隅に小さな記事が掲載された。1993年に発覚した一連のゼネコン汚職で、元茨城県知事に指名競争入札で便宜を受けた謝礼に現金を渡したとして贈賄罪に問われた鹿島の元役員2人に対し、東京高裁が有罪判決を下したとの内容だった。 清山信二(80)――。元鹿島副社長という肩書よりも、中央の談合組織の「仕切り役」としてゼネコン業界にその名を轟かせていた人物である。元専務とともに、一、二審とも無罪を主張し続けたが叶わず、一審の東京地裁と同じく懲役1年6カ月、執行猶予5年を言い渡された。「鹿島を守るためだった」。94年の東京地裁での初公判で、清山は捜査段階で贈賄などの事実関係を自白した理由をこう述べて、無罪を主張した。東京地検特捜部の検事から「鹿島を叩き潰す」と脅されたのだという。「清山さんが守ろうとしたのは『鹿島』ではなく、彼の親分で ………

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