2006年5月号 DEEP [ディープ・インサイド]
「全身の小さながんを一度に発見でき、がん検診の切り札」との謳い文句で、事業欲に駆られた一部の医師と産業界が作り出したPETブーム。日本核医学会が1年半前、「効果に関する誇張広告は慎むべき」とするPET検診ガイドラインを出したにもかかわらず、PETセンターは雨後の筍のように乱立、現在すでに200カ所を超えている。韓国への観光旅行とセットにしたPETツアーも健在だ。 しかし、他人事ながら気になるのは、一施設当たり15億円から20億円もの巨額の設備費を投じ、年間数億円といわれる管理運営費をかけて、採算が取れるのかということ。PET単独の検診料は他の人間ドック並みに8万円程度に設定されているが、一日に検査できるのは2台保有する施設で20人が限度。単純計算すれば年間5千人弱の利用が可能で、4億円の収入になるが、そこまでの需要は見込めない。 三菱商事、伊藤忠商事など大手商社も ………
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