2006年5月号 DEEP [ディープ・インサイド]
関西経済連合会の秋山喜久会長が、関西で活動する四つのオーケストラを統合してはどうかと提案し、物議をかもしている。大阪フィルハーモニー交響楽団、大阪センチュリー交響楽団、関西フィルハーモニー管弦楽団、大阪シンフォニカー交響楽団の4団体に対して、大阪府と大阪市が年間9億円、関西財界も2億円支援しているが、「四つもあって効率が悪い」と言いたいらしい。「楽団再編を促して、世界一流のオーケストラをつくり大阪の都市格を上げていく」とぶち上げた。 しかし、個性的な複数の楽団の存在こそが、楽曲は同じでも味わいの違う演奏を生み出す。これが文化の奥行きであり、企業の統廃合と同列に論ずべきテーマではない。「クラシックの楽団が行政や財界の支援を得るのは当たり前の話であり、芸術のパトロンとなるのは一流財界人の誇りではなかったか。ノブレス・オブリージュ(高い地位に ………
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