進化する手製仕掛け爆弾(IED)の脅威にイラクの米軍は外に出られない。唯一の超大国を覆う敗北の予感。知らぬは日本ばかりなり。
2006年5月号 GLOBAL [パワーゲーム・1]
これを「内戦」と呼ばずして何と言おうか。 イラクのサマーラで2月22日に起きたイスラム教シーア派聖廟爆破事件に端を発するシーア派とスンニ派の宗派対立は、血みどろの報復合戦に発展し、両派の民兵組織は敵の死者の数を得点争いのごとく増やし続けている。 一般的な「内戦」の定義は、「毎年もしくは紛争期間全体を通じて少なくとも㆒₀₀₀人以上の戦争関連の死亡者を出す国内の紛争で、政府の軍隊と反乱軍とのいずれも、この戦争関連死亡者の5%以上を占めているもの」とされている。イラクでは、宗派間の対立、米軍やイラク軍と武装勢力の間の武力衝突、犯罪集団による殺人などが入り乱れており、戦闘員と非戦闘員の区別も曖昧であるため、この古典的な定義には必ずしも合致しないかもしれない。 しかし聖廟爆破事件からわずか1カ月の間に、シーア派民兵によると思われる攻撃で犠牲となったスン ………
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