福井日銀の「啖呵」と「証文」

量的緩和解除の裏に3年前の秘話。「ダメならクビにすれば」と啖呵を切る総裁に、牽制球を投げた総理の芝居。

2006年5月号 BUSINESS

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 注目の金融政策決定会合を翌週に控えた3月3日深夜。 自宅に戻ってきた福井俊彦は、待っていた日銀担当記者を前に、さらりと啖呵を切った。「ダメならクビにすればいい」 ダメなら、とは5年間続いた量的緩和政策の解除を指す。 政治の圧力をはねのけ、あくまでも解除を目指す日銀総裁の静かな気迫に、記者団が気圧されたのは言うまでもない。発言はその後、表に出ることもなく「封印」された。 それから3日後。どこからかこれを聞きつけた行政府の長が動く。 3月6日の参院予算委員会で、小泉純一郎は量的緩和の解除に反対の意向を表明し、世間を驚かせた。「(次は)失敗したからといって、また元に戻すことがあってはならない」「賢明な日銀総裁ですから、しっかり見極めて判断されると思う」 余勢を駆って小泉はこの夜、官邸に経済財政諮問会議のメンバーを招き、イタリア料理を振る舞った。  ………

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