仮想通貨「手張り」という客殺し

コインチェックは販売業者と取引所の二つの顔。その隙間に生じたインサイダーのチャンス。

2018年3月号 BUSINESS

  • はてなブックマークに追加

短時間に時価580億円の仮想通貨NEM(ネム)が流出したコインチェック事件は、27歳起業家社長と、欲の皮を突っ張らせてナケナシの金をつぎこんだカモたちの自業自得の「仮想劇場」と化し、はやし立てる報道はダッチロール気味である。犯人追跡は、警察より「みなりん」を名乗るプログラマーが頼りだ。NEMのトークンでマーキングして流出先の口座は判明したものの、犯人を特定できず膠着状態。ダークウェブでの換金で犯人が逃げ切れるかどうか、衆人環視の攻防戦になっている。2月5日、韓国の国家情報院が北朝鮮関与説を流したが、ログも分析せずに突きとめられるわけがなく信憑性は薄い。ほかにも、①暗号鍵の管理がずさんで、複数の鍵を使うマルチシグも、サーバー外に鍵を置くコールドウォレットもなかった、②コインチェックが金融庁未登録のみなし取引所で、客へのリスクの説明が不十分……などが指摘さ ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。