「津賀パナ」黒字転換に陥穽

米国ファンドが1650億円でヘルスケアを買収。だが、転売先に中国の影? 数千万人のカルテがダダ漏れか。

2014年1月号 COVER STORY [ヘルスケア売却ぬか喜び]

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「経営の神様」松下幸之助の偶像は三度死ぬ――一度目は中村(邦夫)改革、二度目は大坪文雄の大型投資(プラズマと三洋電機買収)の失敗、三度目は黒字転換の功を逸る現社長、津賀一宏によって、パナソニックは地獄を見る。12月9日午後4時16分、麻生太郎財務相は、首相官邸に緊急アポをとり、安倍晋三首相のもとに駆けつけた。手にしていた1枚のペーパーの表題は「パナソニック ヘルスケア事案」。パナソニックは9月27日、完全子会社のパナソニック ヘルスケア(PHC)の全株を1650億円で米国のファンド、KKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ・アンド・カンパニーLP)に売却することで合意したと発表した。14年3月にKKRが設立する特別目的会社(SPC)を共同持株会社として、PHC株の80%をKKR、20%をパナが持ち、両社が共同パートナーになると謳っている。だが、リリースにはKKRが取得するのは「知財等 ………

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