「預金封鎖」と「財産税」はいつか来た道

2012年4月号 BUSINESS

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「ついに預金封鎖に向けた動きが始まった……」。政府が金融機関で10年以上取引のない「休眠口座の預金」を被災地支援などの財源に充てる検討に入った2月中旬、金融界の一部で預金封鎖の可能性が囁かれ始めた。預金封鎖とは、終戦直後、日本を襲ったハイパーインフレを解消し、破綻状態の国家財政を立て直すために強行された悪名高い措置を指す。1946年2月16日夕、幣原内閣は預金封鎖と新円切り替えを宣言した。流通する通貨(旧円)を3月2日で無効とし、新しい通貨(新円)へ切り替える。同時に預金を封鎖し、新円への交換と引き出しを極端に少ない額に制限。3月3日を基準に預金など金融資産を把握する調査を行い、その資産に最大税率90%の税金を課した。これが戦後日本で行われた私有財産没収策である。財産権を保障する現憲法(47年施行)下では考えにくいが、休眠預金の活用で可能性が否定できなくな ………

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