日立が「原発事業」からそろり撤退

口が裂けても「脱原発」とは言えまいが、展望を失った職場の士気は落ちるばかり。

2012年4月号 BUSINESS

  • はてなブックマークに追加

3年前に7873億円の連結最終赤字に転落した日立製作所が瞬く間に業績を回復。2期連続の過去最高益更新が囁かれるほどの勢いだ。ひところはライバルの東芝に比べ「選択と集中が周回遅れ」と揶揄されたが、赤字の元凶だったHDD(ハードディスク駆動装置)事業を売り払い、テレビ事業も国内生産から完全撤退。今やお荷物は原発事業のみとなった。東芝、三菱重工業と並ぶ国内原発メーカーの中で、最も事業規模が小さいのは日立であり、社内から「脱原発の検討が始まった」との声が漏れる。幹部は「有り得ない」と否定するが、日立はかつての日立ではなくなっている。3月9日、日立はHDD事業の売却完了を発表。同社は2003年に米IBMから同事業を約2500億円で買収し、「日立グローバルストレージテクノロジーズ」(HGST、米カリフォルニア州)を発足させたが、その舵取りに失敗。07年までに1200億円もの赤字を垂 ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。