陸前高田「悲劇の市長」の仮面

被災地のヒーロー気取りの裏で、土建業者の親族を通じ「反社」との黒い交際が浮かんだ。

2012年4月号 DEEP

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あの大震災も、1年経てば「美談」のメッキがそろそろ剥げてくる。津波にも生き残り、塩害で枯れた「奇跡の一本松」の陸前高田市の戸羽太市長。自宅を流され、妻が行方不明になったが、気丈に陣頭指揮を続けて「悲劇のヒーロー」になった。市長に就任したのは震災直前の2011年2月。1カ月後に大震災に見舞われ、給食センターに置かれた災害対策本部で奮闘していたが、被災した市民を差し置いてはと妻の捜索願を出さずにいると、安否不明の一覧表になぜか妻の名前が載った。不思議に思って捜索者の欄を見ると、小学6年生の長男の名があった。父に代わって捜索願を出していた、というエピソードは国民の涙を誘った。一躍名を知られた戸羽市長は、8月には『被災地の本当の話をしよう』(ワニブックスPLUS新書)を出版、自民党の佐藤正久参院議員との対談で危機時のリーダー論を展開した。現在、近隣の大船渡 ………

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