廃墟「かんぽの宿」高値鑑定 現物出資の新錬金術

簡保ムダ遣いの末路。閉鎖した廃墟を会社乗っ取り屋や不動産鑑定士が「ハコ企業」の財布に使った。

2011年3月号 BUSINESS

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北海道・大雪山国立公園内で20カ所近い宿泊施設が軒を連ねる層雲峡温泉街。80万人の年間宿泊者数を誇る観光地だが、数年前から“幽霊ホテル”に手を焼いている。「温泉街のイメージダウンにつながるので、解体してほしいが……」と地元を困惑させているのは、築9年近い鉄筋コンクリート5階建てながら、外壁2カ所に約10メートル四方の大穴があいた不気味な廃墟。看板には「かんぽの宿・層雲峡」――。旧郵政省の外郭団体が1972年に開業、2002年6月に約33億円かけて現在地に移転新築された。バリアフリー構造の建物で、北海道福祉のまちづくりコンクールでは最優秀賞に輝いたが、その後、不採算施設を廃止・見直しする郵政民営化のあおりで06年3月に閉館。07年2月に東京で温泉レジャー施設を展開する「大江戸温泉物語」(東京・江東)に約1億7千万円で引き取られた。が、採算の見通しが立たず、営業再開を断念。 ………

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