“建設中”の発電所はペンペン草の更地だった。イカサマ中国企業の上場を許した東証の罪は重い。
2011年3月号 DEEP
山を削り谷を埋めて造成した広大な更地が一面、冬枯れの雑草に覆われていた。すぐ隣の谷にある炭坑を見下ろせる場所に、ここに建設されているはずの発電所の概要を書いた色あせた看板が立っていたが、見渡す限り人影はまったくない。造成地の入口近くには、窓ガラスが割れ、エンジンが錆びついたダンプカーとショベルカーが放棄されていた。ここは、東京証券取引所1部上場の中国系企業チャイナ・ボーチー(中国博奇)が2007年から“建設中”と称している「山西寿陽ボタ石発電所プロジェクト」の現場である。写真をご覧いただければ一目瞭然だが、発電所の姿は影も形もない。雑草の茂り具合などから見て、土地の造成はここ1~2年の間に行われた可能性があるが、建物は基礎工事にも着手していない。この事実を、ボーチーは投資家に隠し続けているのだ。
一体なぜなのか。その前に、ボーチーの現状に触れて ………
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