死を賭した「裏ポーク脱税」の告発

横浜地検に届いた封筒に、遺書とカセットテープ。社長と専務の口論に浮かぶ「差額関税」の闇。

2009年1月号 BUSINESS

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まさに死を賭しての直訴だったのだろう。それは3年前、2005年の秋が深まるころだった。横浜市の官庁街、日本大通にある横浜地方検察庁に、やや大ぶりの封筒が届いた。差出人の名は「岡田年彦」。大阪証券取引所2部上場、川西倉庫の専務(同年11月退任)だった人物である。「岡田」としたためられた封書に、検事らは色めきたった。当時、横浜税関が、ある食肉輸入業者と通関業者を脱税容疑で内偵中であり、地検への告発は時間の問題とされていたからだ。内偵していた通関業者が川西倉庫だった。封筒を開けると、捜査当局宛ての手紙とカセットテープが入っていた。テープを再生してみる。岡田と川西倉庫社長の生々しいやりとりが録音されていた。社長「お前を特別背任で訴えるぞ!」岡田「損害賠償を請求するから、そのつもりでいろ!」社長の激昂した怒声、反論する興奮した岡田の声が収められていた。一 ………

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