御年98歳の不動産業界のドンが完全引退し、後釜には78歳のワンマン会長。看板が「安藤」から「高島」に替わるだけか。
2008年7月号 BUSINESS [企業スキャン]
東京・銀座の数寄屋橋通りとコリドー街に挟まれた7、8丁目界隈は高級クラブが密集する並木通り周辺とは異なり、気軽に入れる飲食店が軒を並べる。そんな小粋な飲み屋街をまもなく100歳に手が届く明治生まれの大物財界人が、若い女性(とはいっても70歳前後)を伴って夜な夜な闊歩する。誰ともなくつけた渾名が「数寄屋橋通りの妖怪」。95歳を過ぎても背中が曲がらず、店主の手を払いのけて一人でビルの階段を上り下りする。「僕のDNAは特別」「寿命は120歳」というのが口癖だ。妖怪の正体は住友不動産取締役相談役、安藤太郎(98)である。「去年の秋ごろまでおみえになっていました」というのは銀座8丁目の料理屋の店主。安藤はいつもカウンターの隅に、介添え役の例の女性と並んで腰を掛け、コース料理をぺろりと平らげる。酒は決まってお銚子2本。ほろ酔いになると、カウンターの腰高いイスに座った ………
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