信用収縮の次は「ドル危機」

サブプライム損失で大手米銀・証券5社が資本毀損の危機。FRBのバランスシートは悪化、ドルは凋落する。

2008年5月号 COVER STORY [水脈ウォッチャー]

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4月11日、ワシントンに7カ国(G7)の財務相・中央銀行総裁が集まった。白川方明・日銀新総裁がG7会合に初お目見えしたが、市場の注目はサブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)危機への対処が声明にどう盛りこまれるかだった。結局、声明は大手金融機関の経営監視などでG7の「緊密な協調」を強調するとともに「主要通貨の急激な変動が経済・金融の安定に与える影響を懸念している」と急激なドル安を牽制する内容になった。やはりG7首脳がもっとも気がかりなのは、「基軸通貨ドル」の行方なのだ。遥か遠く極北の島国、アイスランドですらその兆しが見えた。北欧古代の叙事詩『グリームニルの歌』にこんな句がある。「オーディンとサーガはそこで楽しき日々を過ごす黄金の杯を手に痛飲して」サーガ(Saga)とは北欧神話に登場するアース神族の女神で、「見るもの」「知らせるもの」という意味 ………

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