深刻なのは「反福田」の芽が官邸内に見え隠れすること。町村長官との亀裂が内閣崩壊の引き金にもなりかねない。
2008年2月号 POLITICS [「官邸機能不全」の前兆]
内閣改造の見送りは、後から振り返って、福田政権の命運を分けた政治判断となるのではないか。福田康夫首相としては、やろうかやるまいか検討した結果、今回はやめておこうという消極的選択をしたつもりであろう。しかしそれは、改造をした場合の得失や障害について、あれやこれや迷った末の決断放棄でしかなかった。日常生活では慎重な判断とされる行為でも、政治においては、やろうと思えばできたけどやらなかったのではなく、やりたくてもできなかったのと同じ意味になる。「判断はするけど、決断をしない」「人の話には耳を傾けるが、独創力や発信力が弱い」就任4カ月の福田首相に対し、政府高官たちが漏らす評価だ。年金記録問題での鈍感な対応、薬害肝炎救済策を打ち出すまでのもたつき、政策メッセージのない予算編成、見守るだけの原油高・株安・円高……。 昨年から官邸では、「首相はきょうも ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。