実に6160億円を投じて外資を呑み込む。なぜ、こんな大博打に出たのか?
2006年5月号 BUSINESS
あなたの家や車のガラスメーカーはどこですか、と聞かれて、答えられる人はいくらもいない。日本板硝子もつい最近まで、そんな地味な会社の典型だった。話題といえば、新製品のラジオCMに起用した個性派タレントの千秋が藤本勝司社長の愛娘だ、という「トリビア」ぐらい。その地味な会社が3月末、英ガラス大手、ピルキントンの買収という乾坤一擲の大勝負に出た。 買収金額は実に6160億円。自社の時価総額の3倍、年間純利益の80倍の資金を投じ、時価総額で1000億円上回る会社を呑む。世界3位、シェア10%のピルキントンを子会社にして一気に世界首位、「日本板硝子」から「世界板硝子」になるというのだ。 板ガラスは溶かしたスズの上にガラス素地を流し、平らに延ばしてつくるのだが、ピルキントンはこのフロート製法を世界で最初に開発した老舗。その製法を日本で最初に導入したのが日本板硝子だ ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。