扇の要になった「今治造船」大躍進/「国立造船所」構想も浮上

「造船ニッポン」の復活をかけ、政官民が対中国で総力戦を挑む。トランプの思惑とも合致。ど真ん中の安全保障政策だ。

2025年8月号 BUSINESS

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6月、日本の造船業界に大きな出来事が相次いだ。26日に国内造船最大手の今治造船(愛媛県今治市)が、2番手のジャパンマリンユナイテッド(JMU)への出資比率を6割に引き上げて子会社化すると発表した。2022年の国内船舶建造量は960万総トン(国交省海事局調べ)で今治のシェアは35%。ここにJMUの16%が加わると国内シェア50%超となる。

「造船工業会」新会長に就任

6月20日付の日本経済新聞電子版は政府・自民党が造船業を復活させるために「国立造船所」の設置で検討に入ったと報じた。安全保障上の観点から造船を重視するトランプ米大統領に歩調を合わせた動きでもあり、防衛生産基盤強化法や経済安全保障推進法を適用する。国立造船所は戦艦「大和」を建造した海軍の呉海軍工廠(1903~45年)を思い起こさせる。お役所仕事は非効率というのが常識だが、呉海軍工廠における大和の工数は100万を切り、同じ設計に基づいて三菱 ………

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