阿部重夫主筆ブログ「最後から2番目の真実」

  • 2011年5月10日復興財源と原発賠償のまやかし

    連休で告知が遅くなりましたが、元財務官僚で経済学者の高橋洋一氏をゲストに、東日本大震災の復興財源と原発賠償のまやかしについて討論した動画をYoutubeにアップしてあります。日経新聞出­身のジャーナリスト磯山友幸氏にも特別出演して頂き、鼎談形式としました。政府と財務省、日銀が一体となって主導する増税論がいかに愚論であるかをロジカルに解説します。興味のある方はぜひご覧ください。

  • 2011年4月20日3月25日の衆財政金融委員会での一幕

    今月号に掲載した「国債『日銀引き受け』強行なら日銀執行部は全員辞任」が反響を呼んでいるとスタッフに言われた。

    先月号の「震災復興国債は『日銀直接引き受け』で」もフリー公開したところ、多くの方に読んでいただけたようだ。実は、3月25日の衆財政金融委員会で山本幸三議員が、日銀直接引受が毎年行われていると野田財務相と白川日銀総裁に質問していて、その時の答弁の一部がツイッターのまとめサイトに集約されているが、やや読みづらい部分があるので、このブログにほぼ全文を引用させていただことにした。ぜひ記事と併せてご覧いただきたい。

  • 2011年4月19日佐藤栄佐久・前福島県知事が語る「日本の原発政策」

    昨日(18日)、日本外国特派員協会で行われた佐藤栄佐久・前福島県知事の会見をYoutubeにアップしました。最新号でも、「原発への危惧が的中 天仰ぐ『冤罪』前知事」と題した佐藤氏のインタビューを掲載してますので併せてご覧ください。今後、少しずつですが動画も活用していくつもりですので、お楽しみに。

  • 2011年4月 7日手嶋龍一×阿部重夫 「福島原発」対論(下)岡崎東工大工学部長をまじえて

    ※中からの続き

    3月31日の手嶋龍一氏との対論に続いて、翌4月1日、東京工業大学に場所を移し、工学部長の岡崎健教授をまじえて今後のエネルギー・ポートフォリオをどうするかなどを伺った。岡崎教授は東工大大学院理工学研究科で機械制御システムを専攻、エネルギーに関するミクロな基礎現象の解明からマクロなエネルギーシステムまでを、熱流体工学、燃焼工学、反応工学、エネルギー工学などの研究を進めており、日本機械学会、日本エネルギー学会などから多数の賞を受賞しています。

  • 2011年4月 6日手嶋龍一×阿部重夫 「福島原発」対論(中)

    ※上からの続き

    手嶋 今回の東電福島原発の事故は、総理官邸、経産省、その外局である原子力安全・保安院、東電それぞれが抱えるシステムが2重、3重の機能不全を起こしたことで、より深刻にそして長期化してしまったといえます。原子力空母ロナルド・レーガンの例で説明しましょう。艦上で巨大な原子炉の事故が起きたと想定します。初動の防災オペレーションは、もちろん空母の責任で対処します。しかし、自分たちの応急対応の範囲を超えたと判断した段階で、その決断こそが重要なのですが、ペンタゴンの首脳陣に本格的な対応を委ねることになります。その事故が複雑で重大であると判断されれば、それを作った設計陣がやはり出てきて対応します。原子炉の中枢部分が、軍事機密だったり、企業機密の固まりであったりするからです。

    阿部 原子力技術は相当部分がアメリカの技術であって、まさに企業機密の固まりであり、国家機密の固まりです。米国製戦闘機の製造を三菱重工が受注したとしても、ブラックボックス部分があるのと同じように、原子炉にもおそらくブラックボックス部分が相当ある。東電は沸騰水型原子炉(BWR)を採用していて、メーカーはGEとウェスチングハウス(WH)。GEのパートナーは日立、WHは東芝が2006年に買収していますが、原子炉のコア技術はやはりアメリカに主導権がある。

  • 2011年4月 4日手嶋龍一×阿部重夫 「福島原発」対論(上)

    3月11日の東日本大震災と、それに続く東電福島第一原発の事故は、日本の転機になりそうです。いったい何が問題なのか、このブログ上でジャーナリスト、手嶋龍一氏と本誌編集主幹の阿部重夫が緊急で「対論」を試みました。主として巨大リスクのクライシス・マネジメントの観点から、政府と東電の対応を論じましたが、中長期的なエネルギー・ポートフォリオの問題については「下」で、東京工業大学の岡崎健工学部長にもお話を聞きました。

  • 2009年5月22日新生・鳩山民主党

    民主党の代表が、鳩山由紀夫に決まった。4月号で「『ポスト小沢』に鳩山指名か」という記事を載せたが、やっぱりという感じである。小沢が辞意を表明した11日の会見で勝負はあった。「補正予算の審議が終わるのを待ったうえで速やかに代表選挙を実施してほしい」と、わずか5日後と決めたが、連休中に小沢・鳩山で周到に仕組んだのだろう。

    世論調査では岡田2対鳩山1くらいで、岡田期待論が強かったが、それを承知で両院議員総会での短期決戦としたのは、参院民主が小沢支持で固まっているため、意中の鳩山が有利になると読んだからだ。こういう局地戦になると反小沢派はまるで弱い。野田、前原らは「政治の要諦は日程にあり」ということが読めず、12日の役員会で「党員、サポーターも入れた代表選挙」を唱えたが後の祭。「党の規定と違う」と小沢に一喝されてシュンとなった。結局、鳩山124対岡田95と、岡田は追い上げても100票に届かなかった。

  • 2009年2月19日3月号の編集後記

    FACTA最新号(2009年3月号、2月20日発行)の編集後記を掲載します。フリー・コンテンツの公開は25日からです。

    *   *   *   *   *

    百聞は一見に如かず。お忍びで東京近郊のイオンのショッピングモールを見て回った。うんざりするほど広い。GMS、シネコン、フードコート、レストラン、スポーツジム……何でもある。が、何もない。どこまで行っても都心のダウンタウンのイミテーションである。規格化されて、一カ所見れば十分だった。

  • 2009年1月28日消費税増税のドタバタ劇

    3年後に消費税を増税する方針を盛り込むかどうかで揉めた2009年度の税制改正関連法案が、ようやく23日に閣議決定した。麻生太郎総理が相当こだわって、ついに押し通した形だが、終わってみればから騒ぎもいいところである。

    騒ぎの背景には、麻生政権が金融危機に対応するためには景気テコ入れ策が必至で、小泉政権が「骨太の方針」で定めた2011年度までにプライマリーバランス(財政の基礎収支)を黒字化する公約を守れなくなったことがある。金融安定化のための二次補正予算までは組んだものの、閣内には財政再建派の与謝野馨・経財相を抱えているうえ、財務省もなし崩しの財政再建の反古は見過ごせない。そこで麻生総理はこの危機を全治3年とみて、3年後に消費税増税を約束、当面の大判振る舞いの免罪符にしようとした。

    ところが、今年は衆議院の任期が9月に切れる「選挙の年」。消費税を創設した竹下内閣、増税に踏み切った橋本内閣が潰れたように、消費税に手をつけた政権は選挙で負けるというジンクスがある。党内には「この不況期に非常識」と反対論が巻き起こったが、麻生総理としては定額給付金問題での発言のブレが支持率急落を招いただけに、今度は頑として譲らない。そこに野党の民主党がつけこんで、政局にしようとしたからドタバタ劇が始まった。

  • 2008年9月24日一足早く麻生太郎首相にぶら下がり取材

    私は政治記者だったことはないから、番記者の経験もなければ、国会の廊下トンビをやったこともない。公用車に同乗して話を聞いた経験はあるものの、ぶら下がり取材を体験していない。で、総理官邸で日に2回行われる番記者のぶら下がり取材をテレビで見ていて、どうしてああも下手くそなのか、不思議でならなかった。

    短時間なのだから、質問も簡にして要を得なければならないのに、紋切り型の歯がゆい質問ばかり。スポーツ中継の押しつけインタビューと代わらない。福田康夫・前総理最後のぶら下がり会見でも、意味不明の質問を浴びせて、去りゆく総理をむっとさせていた。ワンフレーズを求めようとする余り、記者が痴呆になってはしようがない。

    そこで、隗より始めよで、自分でぶら下がり取材を試みた。単独取材を許さない新聞の“カルテル組織”内閣記者会から雑誌は排除されているから、本来ならできない。が、間隙を縫う「突貫取材」は、「不肖宮嶋」カメラマンにも負けないつもりだ。一足先に、FACTA版ぶら下がり取材をすることで、嫉妬深い新聞の鼻をあかそう。

  • 2008年9月22日河野洋平の“後継者”牧島かれんとは――地盤継承の新しいカタチ

    政治ほどリスキーな商売はない。何かを実現するため議員バッジを胸につけようとする方々には「なんと奇特な」と賛嘆するほかないとはいえ、興味津々である。非政治的な人間と自認しているから、自分で政治に身を投じようと考えたことは一度もない。だが、目前に迫った総選挙で身近な人が何人か立候補に名乗りを挙げた。

    そのひとりが、引退を表明した衆議院議長、河野洋平氏から後継を指名された早稲田大学公共政策研究所客員講師、牧島かれん(可憐)さんである。彼女がアメリカ留学から帰国して、大学で助手や講師をつとめ出して以来、ご縁がある。国際基督教大学(ICU)大学院行政学研究科で今春博士号を取得されたが、それまでのあいだ、FACTAの創刊準備やトークショー「FACTAフォーラム」などでお手伝いしてもらった。

    彼女が政治家志望であることは聞き知っていた。それでも、血縁でもなく地盤でもない神奈川17区で、河野議長がいきなり後継者に彼女(横須賀出身)を指名するとは、後援会も目を丸くしたろうが、私にもちょっとした驚きだった。「河野王国」と言われる磐石の地盤が小選挙区で二分され、議長の長男、河野太郎氏がすでに神奈川15区の地盤を継いでいるという事情があったにせよ、「地バン看バンカバン」の3バンが不可欠とされた従来の継承とは別の、新しいモデルが出現したかに見える。

  • 2008年4月29日ジェラルド・カーティス「政治と秋刀魚――日本と暮らして45年」のススメ

    アメリカから日本の政治を研究しにやってきた青年が、1967年の衆院選挙で大分二区に立候補した佐藤文生氏(中曽根派)の事務所に飛び込み、舞台裏を活写した『代議士の誕生――日本保守党の選挙運動』(1971年)以来、ジェラルド・カーティスの名はいわば「密着取材」の先駆者の代名詞だった。

    この処女作のことはよく覚えている。まだ私は新聞記者ではなかったが、やられたという悔しさより、その密着手法がえらく新鮮に思えた。ライシャワーはじめアメリカの日本通はどこか雲の上の存在であり、日本の政治のような下々の泥臭い世界には下りてこないものと決めてかかっていたが、カーティス氏の手法は大所高所ではなかった。ブルックリンのリアリズムを体現したかのような「あたって砕けろ」式の現場主義は、自分にもできるのではないか、と私には思えた。

  • 2007年11月 8日覆水盆に返らず――出戻り小沢氏

    読者の方から大連立について数行でもコメントを、というご要望が寄せられました。

    実はTBSラジオの「大沢悠里のゆうゆうワイド」で、月曜から水曜まで3回、この問題でコメント、というか、まあ感想を問われまして、私見を披露しました。一言でいえば、ジャーナリズムの側も翻弄され、小沢氏の辞意撤回とその裏で進んでいた大連立構想を軽々しく批評するのには躊躇せざるをえません。

    こういうとき、あまり気のきいたこと、訳知り顔のことを言う人は、信じる気になれません。秦の王政(のちの始皇帝)に招かれた挙句に殺された吃りの貴公子、韓非の言葉を借りれば、「乱をもって治を攻むる者は亡び、邪をもって正を攻むる者は亡び、逆をもって順を攻むる者は亡ぶ」です。

  • 2007年9月14日【緊急トーク 手嶋龍一×阿部重夫】「亡国の総理」辞任(下)

    福田康夫・元官房長官が自民党総裁選出馬の意向を示し、ポスト安倍政局は一気に福田政権誕生へと傾くことになった。安倍総理の続投をいち早く支持しながら、内閣改造人事で主導権を握った、麻生太郎・自民党幹事長に「寝首をかかれた」と安倍氏の眼には映ったのだろう。こうした麻生幹事長に対する包囲網が次第に形成され、党内最大派閥の町村派が福田氏を担ぎ出すことになった。小派閥の麻生氏の“禅譲”路線は危うくなりつつある。

  • 2007年9月13日【緊急トーク 手嶋龍一×阿部重夫】「亡国の総理」辞任(中)

    政局の動きは速い。安倍晋三総理の衝撃の辞意表明から1日たって、後継に麻生太郎自民党幹事長と、「反麻生」陣営の包囲網とが浮き彫りになってきた。反麻生側が担ぎ出そうとしている候補に、福田康夫・元官房長官や小泉純一郎・前総理の名があがっている。額賀福志郎・財務相も出馬の意向を示している。今の時点ではまだ帰趨を予測するのは早いが、後継に誰がなろうとも安倍政権の尻拭いをしなければならない。最大の問題の一つは日米関係だろう。本日はそれをテーマに対談する。

  • 2007年9月12日【緊急トーク 手嶋龍一×阿部重夫】「亡国の総理」辞任(上)

    正午すぎ、携帯が鳴った。メールである。「今、テレビを見ていたら、安倍さん辞任を表明したそうです」。みなさんと同じくのけぞった。さあ、雑誌は大変。でも、先日の遠藤農水相辞任の当日、編集長ブログでこの緊急対談を試みたら、どっとアクセスが殺到したことを思い出した。同業の雑誌編集者からも「あの速さには驚きました」とご好評だった。で、二匹目のドジョウというわけではないが、今回も手嶋龍一氏から電話があり、TOKYOミッドタウン45階でとっさの緊急対談をして、さくさくっとここに載せる次第である。

  • 2007年9月 5日【緊急トーク 手嶋龍一×阿部重夫(下)】テロ特措法、小沢民主党のツッパリ

    安倍政権の弱体化で、参院で第一党の座を占めた小沢一郎民主党の攻勢は一段と強まりそうです。当面は11月に期限切れを迎えるテロ対策特別措置法の延長問題が与野党の攻防のヤマ場となりそうです。シーファー駐日大使はじめアメリカのブッシュ政権は、ワシントンで東京でと対日工作を本格化させています。大統領自身が8月30日、「日本が今後も前向きな影響力を保つことを望んでいる」と述べ、異例の形ながら延長へ強い期待感を表明しました。また来日したドイツのメルケル首相もEU側の意向を代表する形でテロ特別措置法の延長を求めています。

    これに対して小沢代表は「アフガニスタンでの軍事行動は国連決議の裏づけがない」と延長に反対の姿勢を崩していません。この問題は単なる日本の政局を超えて、国際的な波紋を広げていますが、こうした小沢発言の背景となっている国連の集団安全保障と集団的自衛権をめぐる憲法問題を、FACTAトーク(手嶋×阿部)の対談で論じてみました。

  • 2007年9月 4日【緊急トーク 手嶋龍一×阿部重夫(中)】安倍政権の躓きは内政だけではない

    遠藤農水相の辞任を機に、安倍政権は再び揺らぎ始めました。内閣改造による人心一新どころか、リーダーシップの弱体化が一層進む可能性が強まり、安倍総理の「再チャレンジ」は絵に描いたモチとなりそうです。今回は政権の意思決定空洞化が、年金や「政治とカネ」といった内政ばかりでなく、外交や安全保障にも及んでいることをしていることを議論しました(※前回の続き)。

  • 2007年9月 3日【緊急トーク 手嶋龍一×阿部重夫(上)】三度目の正直? 遠藤農水相辞任と安倍政権の命運

    7月29日の参議院選挙で自民・公明の与党が大敗を喫してからおよそ1カ月、8月27日に安倍政権は自民党三役から閣僚まで大幅に入れ替える改造人事を行いましたが、わずか1週間で遠藤武彦農水相が辞任に追い込まれる事態となりました。5月に自殺した松岡氏、8月に事実上更迭された赤城氏に続き、3カ月余で農水相が3人もスキャンダルで交代するという異常事態。党内外から上がった「仲良し官邸団」との批判に、この内閣改造は応えていたのか否か。そもそも有権者は安倍政権に何を突きつけていたのでしょうか。

    参院選前にFACTAが主催してトークイベント(手嶋龍一×阿部重夫)を行い、参加者の方々から「トークイベントで明らかにされた隠れた争点とその後の情勢の読み方は、他のメディアでは接することができなかったものであり、選挙と改造後のフォローアップと検証をぜひ」という声が数多く寄せられました。こうした要望にお応えするため、参議院選挙で浮かび上がった真の争点を再考してみました。