阿部重夫主筆ブログ「最後から2番目の真実」

2018年2月 6日 オリンパスの「ピエロ」蛭田史郎取締役会議長

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7年前を上からなぞるような展開になってきた。オリンパスが揺れている中国深圳での贈賄疑惑だ。

損失隠しのために零細企業を買収した後、大学教授や公認会計士を使って「買収価格は妥当なものだった」という報告書を作成させたのは、今回西村あさひなど大手法律事務所に「違法性はなかった」との調査報告書を作らせたのとよく似ている。
またオリンパスの会計処理の秘密を調べようとしてマイケル・ウッドフォード社長(当時)を解任したのは、今回会社の方針と異なる考えの社員弁護士を口封じのために左遷したのと重なる。

ウッドフォード氏が電撃的に解任され、世間がその異様さに気づいた7年前、当時の菊川剛社長兼会長が直前まで日経フォーラム世界経営者会議の講師として登壇する予定だった。 これは現社員取締役の中で最古参の一人で取締役会議長である蛭田史郎・旭化成相談役にダブって見える。

日本銀行金融機構局金融高度化センターが1月10日から11日に開催したガバナンス改革フォローアップセミナーに蛭田氏はパネリストとして参加。昨年9月にも日本コーポレート・ガバナンス・ネットワーク主催の講演会「オリンパスのコーポレートガバナンスへの取り組み」でも講師を務めた。

何というグッド・タイミング! 社員弁護士が昨年12月に社外取締役全員にメールを発信、今回公開する資料を送ってウォーニングを出しており、そのメーリングリストには蛭田氏も入っているから、知らなかったでは済まされない。足もとで起きていることを知っていながら、ぬけぬけとコーポレート・ガバナンスの説法とは、恐れ入ったるタヌキである。

それにしても、社外取締役は大変だ。株主の負託に応えてその職責を果たすだけでなく、講師のアルバイトを引き受け、時にピエロの役まで与えられる。そのうえ下手をすれば晩節が大きく狂ってしまうほど、巨額の損害賠償を求められる恐れさえあるのだから 。

7年前、オリンパスの取締役会資料をネット上で公開したら、オリンパス社内は鳩首会談のために臨時取締役会の招集通知を出したりして大騒ぎになった。そっくりのついでだ。ここでまた資料を公開し、7年前を再現してみようか。

社外取締役に送付された通知書や訴状をこのホームページ上で晒したことにより、これらの資料はインサイダー情報ではないオープンなものになった。 世界中の投資家は何の制約もなくこの資料にアクセスできる。贈賄疑惑をおざなりにはできないことを示す証拠資料もいずれ出てくるだろう。

さて国内外の機関投資家はこれを読んだら、どう思い、どう動くだろうか。

臭いものにフタをする戦犯たちを温存した東証や当局、銀行や関連業界、そして日本株式会社の「事なかれ」も改めて問い直されるだろう。恥を知れ、ニッポン!