阿部重夫主筆ブログ「最後から2番目の真実」

2017年10月 5日 中国政商「郭文貴」追撃ブログ9 女性秘書「拘束」後の自白画像

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いやはや逞しいというか、ごりっぱというか。

香港の大手タブロイド紙「東方日報」が、9月19日にオンライン公開したFACTAの郭文貴スクープをさっそく翌20日にパクっていた(「FACTAが報じた」という体裁だから、正式にはパクリとは言えないが、無断で盛大に引用しているから、そう言っても言い過ぎではなかろう)。

郭文貴東京買醉醜態片曝光 豎中指狂嘔吐

後ろ姿とスクランブル入りで顔が見えないとはいえ、郭文貴より先にハイヤー車内で嘔吐して失神しているキャピタル・パートナーズ証券の崔建雄も、これで祖国に錦を飾ったことになりますな。香港紙ではフリーペーパーの「am730」からは正式に転載要請がFACTAに来ていたが、皮肉なことに有料の東方日報のこの盛大な引用のせいでキャンセルしてきた。パクったが勝ち、の中華世界らしい。

それにしても、ネットでさらしものにするリンチの先進国、中国の突出ぶりはすさまじい。香港返還後に親中色を強めた東方日報が、いかに多くの「郭文貴叩き」記事を載せているかは、サイトの下にずらりと並ぶ関連記事でよくわかる。郭文貴は華人社会では悪玉にせよ善玉にせよ、隠れもない大スターなのだ。

郭文貴叩きの矛先は彼の周辺にも及んでいる。郭の秘書兼愛人の一人という噂もある屈国姣は、顔写真入りでユーチューブにさらされている。週刊誌の風俗記事ばりに、モンタージュや漫画をふんだんに盛り込んである。

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屈国姣は中国当局の手で香港から拉致され、大陸で拘束されているらしい。その拘禁先で撮影されたのか、化粧っ気のない顔でカメラの前に座り、郭文貴のもとで働き、その"悪事"に加担したと告白する証言をしている画像が、これまたツイッターで流れている。1930年代のスターリン粛清化のソ連人民裁判を思わせる仮面のような表情である。

郭文貴は2016年8−9月の東京滞在時、「屈国姣」名義のクレジットカードで決済しているが、同行していたのは別の女性秘書らしい。彼女は汐留のホテルに宿泊し、そこから通っていたという。東銀座の「大上海」の酒宴にもいた可能性があるが、ユーチューブ画像には映っていない。赤坂までSBIの二人を送ったハイヤーを、携帯電話で呼びもどしたのは、このもう一人の秘書だろう。

すでにボディーガードの張志偉のパスポート画像がツイッターでさらされていることはこのブログで書いたが、郭自身の香港発行とアブダビ発行のパスポート画像も流れている。名前はどちらも漢字名が「郭浩雲」、英文名は広東語読みの「Kwok Howan」になっている。

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アブダビのパスポートには、郭がアラビア服のクーフィーヤ(頭巾)をまとって写っている。アブダビを首都とするアラブ首長国連邦(UAE)では、石油開発やインフラ建設などに従事する出稼ぎ労働者を中心に人口の7割以上を外国人が占めていて、UAEパスポートを持つ本国人は特権階級。外国人がUAE籍を取得するのは極めて難しいという。

それを郭が所持しているのは、トニー・ブレア元英首相を介してアブダビ王室に深く食い込んだ証拠だろう。だが、それをこうしてネットにさらす中国当局の徹底ぶりにもあきれるしかない。

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