阿部重夫発行人ブログ「最後から2番目の真実」

  • 2016年10月30日三菱自動車の内部統制と益子社長の「二重の責任」

    株式投資の世界に身を置く者なら、企業の不正が明るみに出るたびに、誰でも「不正は数字だけにとどまらないのでは?」と考えたことがあるのではないか。

    日々の業務が適正に行われていなかったのに、内部統制報告書には"内部統制は有効"と記載されている。これは虚偽記載にあたらないのか? つまり金融商品取引法違反にならないのか?

    虚偽記載というと、有価証券報告書なら収益の水増しや総資産や純資産のかさ上げなど、数値に表れる"定量的な要因"が思い浮かぶだろう。東芝やオリンパスの粉飾決算はこれにあたる。

  • 2016年10月26日東京都「官製談合」疑惑追及3――醍醐本部長の危うい発言

    前回予告したように、都立広尾病院の改築移転問題が「政治案件」であることを示唆した醍醐勇司・元病院経営本部長(現水道局長)と佐々木病院長のやりとりを公開しよう。佐々木院長は、都側が移転が先にありきで何のビジョンもないことに危惧の念を伝えていた。醍醐氏はそれを説得しに来たのだが、要するに「考え直す余地はない。現場(どこ?)が待っているから移転しかない」という問答無用の姿勢である。相手がなかなか手ごわいと悟って、とうとう持ち出したのが政治家の名前だ。週刊朝日の取材には不適切だったと認めたようだが、あくまでも背景説明の個人的な話と逃げようとしている。だが、実際には「ここだけの話」と言いながら、村上都議だけではない政治的圧力がかかっていることをほのめかしている。これだけでも醍醐氏は、十分当局に聴取される資格がある。

  • 2016年10月25日東京都「官製談合」疑惑追及2――前広尾病院長はなぜ録音したか

    FACTAは都立広尾病院の前院長、佐々木勝氏の内部告発を精査し確証する形で、その裏に病院移転にとどまらない闇があることを、11月号の「東京都利権の『黒幕』五奉行」記事で暴いた。前回のブログでは、その佐々木氏が副知事から左遷を言い渡される生々しい場面を、肉声録音つきで公開した。録音はこれだけではない。佐々木氏にとって上司である都の病院経営本部幹部たちとの会話をなぜ録音したか――その事情を本人が本誌に語っている。それで見る限り、政治案件ちらつかせて役人が利権を強行する理不尽には、こうした録音と内部告発で対抗するしかなかったことがよく分かる。

  • 2016年10月24日東京都「官製談合」疑惑追及1――広尾病院長を左遷する「酷吏」副知事

    東京都知事に小池百合子氏が就任してから、本誌FACTAも10月号の「小池が暴く豊洲『官製談合』」、そして11月号の「東京都利権に『黒幕』五奉行」と過去の都政と利権の追及シリーズを連打してきました。本誌は豊洲や五輪施設など都の大型ハコモノ利権にはすべて「官製談合」の疑いが濃厚であり、そのブラックボックスを暴くことが必要だと考えています。雑誌では紙数に限りがあり、入手資料などもかいつまんでしか触れられないので、その補足資料としてこのブログを活用することにしました。

    本誌11月号では、都立広尾病院の移転改築を強行した都が、移転先にありきで何のビジョンもないことにあきれて抵抗した佐々木勝病院長が、今年2月29日に秋山俊行副理事(現在は都人材支援事業団理事長)と真田正義病院経営本部長から直々に左遷を言い渡されたと書いた。このときの録音を入手し、そのテープ起こしと肉声を公開する。

    さあ、耳を澄まして、政治の先兵となる役人の弁を聞こう。

  • 2016年10月19日電通の石井直社長はなぜ逃げ隠れするのか

    電通は自らPRを業としていながら、内部には報道管制を敷く矛盾した企業である。

    女子社員の過労自殺問題では、三田労働基準監督署に過労死として認定され、東京労働局が電通本社や名古屋、大阪、京都の3支社、さらに電通西日本など子会社5社にも労働基準法に基づく立ち入り検査(臨検監督)を行う事態に発展したにもかかわらず、石井直社長は会見もせず、社長名のコメントも発表していない。

  • 2016年10月 3日地方大学を蝕むパワハラと統治不全

    このところ象牙の塔で論文不正やパワハラといった不正やトラブルが絶えない。

    数年前、西日本のある国立大学の工学部で、ある教授に対する感情的な反発がきっかけになり、人事労務担当の理事と部局長が共謀し、教授による学生に対する嫌がらせがでっち上げられた。