阿部重夫主筆ブログ「最後から2番目の真実」

  • 2016年2月29日東芝解体と海外ファンドの食指

    東芝の解体とその事業売却の行方に関係者が気を揉み始めている。パソコン事業や白物家電事業の切り出しと並んで注目されているのが、グループ内で医療機器事業を手掛ける東芝メディカルシステムズの売却である。収益面で足を引っ張る白物家電事業などを切り離して止血するのとは違い、収益力が強い東芝メディカルの売却は外部からの資金を採り入れるための輸血であり、ライバル企業にとっても投資ファンドにとっても関心は高い。しかし重要な視点を忘れてはいないか。

    関係者が気を揉む理由は、東芝メディカルの事業領域と入札参加者の顔触れにある。東芝メディカルはX線診断システムやCTシステム、MRIシステムなどの製品ラインナップで高い収益力を誇り、比較的シェアは小さいが電子カルテも手掛けている。

  • 2016年2月29日買われた? 東京五輪4――ヒカリコは火中の栗拾わず

    前回掲載した組織委スポークスパーソンに対する質問状に対し、なぜか組織委理事、高橋治之コモンズ会長の秘書から2月5日に返答が来た。組織委から高橋氏に質問状が回されたようで、高橋理事からの回答である。

  • 2016年2月26日買われた? 東京五輪3――組織委員会への質問状

    2020年東京五輪には、すでに三つのスキャンダルが起きている。第一がザハ・ハディド設計の新国立競技場案の白紙撤回で、これは本誌14年9月号「新国立競技場に『森・石原密約』」、同10月号の「国立競技場解体に『天の声』」、同11月号「『戦犯』は日建・竹中・電通」の3連打スクープで火がつき、翌年のやり直しコンペにつながった。

    第二がエンブレムのパクリ問題、そして第三が当初の運営費見積もり3千億円が、すでに1兆8千億円と6倍に膨れ上がり、舛添都知事自ら3兆円になる可能性を白状した野放図な運営費膨張である。本誌は今年2月号の「許せるか『放漫五輪』運営費3兆円」で報じた。

  • 2016年2月25日買われた? 東京五輪2――電通の回答

    前回載せた英ガーディアン紙とFACTAの共同質問状に対して、電通から広報部長名で回答が届いたのは2月8日である。ご丁寧にもガーディアンに対しては英語で、弊誌には日本語でご回答いただいたのだが、どっちも「木で鼻をくくったよう」と言うほかないような素っ気ないものだった。まずガーディアンのオーウェン・ギブソン記者宛て。

  • 2016年2月24日買われた?東京五輪1――電通への質問状

    読者の皆さんも覚えているだろう。2013年9月7日、ブエノスアイレスで行われた第125回国際オリンピック委員会総会で当時のジャック・ロゲ会長が笑顔で「TOKYO!」と声を発した瞬間を。2020年オリンピックとパラリンピックの開催地に、イスタンブール(トルコ)、マドリード(スペイン)を押さえて東京が選出されたのだ。会場にいた安倍晋三首相ら日本代表団は歓喜の声を挙げて跳びあがり、日本全土に興奮の渦が広がった。

    だが、あの歓喜をもたらしたのが、「オ・モ・テ・ナ・シ」の滝川クリステルの笑顔でも、ド下手な英語でプレゼンした当時の都知事、猪瀬直樹の奮闘でもなく、単なる裏金のおかげだったとしたら……。あれから2年半経って、英国でにわかにそんな疑いが強まっている。しかも昨年噴出したロシア陸上選手のドーピング疑惑で、いまやFIFA(国際サッカー連盟)に続く第二のスポーツ・スキャンダル、IAAF(国際陸上競技連盟)疑惑の渦中で飛び出したのだ。

  • 2016年2月23日「LIXIL藤森」の墜落10――ヘインズの「背任」を庇う異常

    LIXILグループの“闇”を追い続ける本誌は、2月20日発売の最新号(3月号)にも続報を掲載した。詳しくは記事(LIXILにファンド連合の罠)をお読みいただきたいが、調べれば調べるほど新たな疑惑が湧き出します。例によって本誌が送った質問状とLIXILの回答を下に公開しますので、読者の皆さんにも謎解きを楽しんでいただきたい。

    今回の質問は5つ。LIXILは2番目の質問を除いてまともな回答を寄こさなかったが、意外だったのは、4番目と5番目の質問に対して「1月18日に公表した適時開示資料以上の内容につきましては差し控えさせていただきます」と回答したことです。つまり否定も肯定もしなかった。

  • 2016年2月 1日レセプト債問題で浮かぶアーツ証券の謎

    レセプト債を販売していたアーツ証券(東京・中央区)に対し、証券取引等監視委員会は1月29日、金融庁に行政処分を勧告した。診療報酬債権(レセプト)を裏付けとした総額227億円のレセプト債が債務不履行となっているこの問題では、租税回避地が絡んだ謎が次々と浮かび上がっている。

    破綻した運用会社オプティファクター(東京)は国内外の非上場企業が発行した債券を多く購入しているが、社債を発行していた(つまりオプティからカネが流れていた)都内の会計事務所は取材を拒否。他の社債発行企業にはすでに解散するなどして実体がなくなっている事業体がいくつも見つかるなど、資金の流れには不可解な点や怪しい点が多い。