阿部重夫主筆ブログ「最後から2番目の真実」

2014年5月27日 [reuters]断末魔ハコ企業と逃げ回る札付き会計士

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東証二部市場に上場する投資会社が内紛に揺れ、断末魔の叫び声をあげている。もとは冴えない倉庫会社だったのが、外資系出身の「ハイエナ」が乗りこんで投資ファンドに大化け、次々と投資案件を手がけたが失敗、4年前に香港企業と提携したのを機に社名まで変えてしまった。

だが、いったん「ハイエナ」の道具に身を落としたら、そこから容易に抜け出せなくなる。現在の社長にも会社の財産を私物化して特別背任の疑いが浮上しているうえ、2年余り前に発行された新株予約権のやり取りにも不明朗な点が多いとして、これらが社内で問題視されているという。

ファクタ編集部は“strictly confidential”と書かれた内部文書を入手した。現社長に退陣を迫る一派が作成したもので、新株予約権がどこの誰に譲渡されたのかが図で示されているほか、会社から外部の会計事務所に支払われたファイナンシャル・アドバイザー(FA)手数料が、社長の親密先にキックバックされていることも「事実関係図」として記載されている。

さらにはこれらの取引が抱える問題点も具体的に列挙されており、内部文書というよりも告発文と呼んだ方がいい内容だ。それをここに書き記すと現時点では伏字にしなければならない箇所が多くなり過ぎるため、避けるしかないのが残念だ。疑惑の社長にもこの文書が突き付けられ、4月にも話し合いの場が設けられたが、落としどころは見つかっていないという。

同社が新株予約権を第三者割当で引き受けてくれると期待している海外投資家もそっぽを向いているというのだから、株式市場で破綻観測が浮上するのも当然だ。

この投資会社の株価はすでに“倒産株価”と言われるほど低水準で、株式市場への影響も社会全体に与える影響もほとんどないだろう。しかしエクイティ・ファイナンスのスキーム作りに公認会計士が濃厚に関わったり、その周辺の政治家に怪しげなカネが渡っているとなれば話は別だ。

この投資会社の周辺では以前にも政治家との癒着が指摘されており、関係者の証言によると、最近もこの投資会社の会長は投資会社から5000万円を受け取り、そのうちの1000万円が東京都知事選に立候補した人物(落選)にも選挙費用として渡っている。

新株予約権のスキーム作りに関わった公認会計士も札付きの人物らしい。新株予約権の譲渡を受ける香港の投資ファンドは、実はこの会計士が用意した“ハコ”で、昨年6月に民事再生法を申請したインデックスの不透明な資金のやり取りにも間接的に関与していることが会社登記などから読み取れる。こんなハコを自ら用立てる会計士など、資本市場のゲートキーパーの風上にもおけない。

インデックスの事件に絡んで一部のテレビ局は、この会計士に取材を申し込もうと追いかけているが、当の会計士は逃げ回って出て来ないという。この会計士は日本公認会計士協会のIFRS監査会計特別委員会の委員に就いていたというのだから、協会もよほど襟を正さなければなるまい。