阿部重夫主筆ブログ「最後から2番目の真実」

2014年3月28日 半年遅れアコーディアの日経“スクープ”

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3月28日付日本経済新聞夕刊のアタマ記事は、国内で130カ所以上のゴルフ場を所有する最大手アコーディア(東証1部)が、約100カ所、1000億円を売りに出すという記事だった。

弊誌が昨年10月号(9月20日発売)で報じた「アコーディア『S‐REIT』浮上」の6カ月遅れの後追い“スクープ”である。当然ながら、弊誌報道には何の言及もない。

小保方さんの博士論文のコピペもそうだが、STAP細胞なら袋叩きなのに、新聞記事なら知らん顔で済むんですかね。ま、大人げないから、人知れずほほ笑まん、でいきましょう。

しかも事実関係で、シンガポールでREITを上場させるという方式を、「シンガポールの投資法人に売却する」という表現にしていた。わかりやすくしたようでいて、投資法人が何なのかが不明で、かえって不正確にしている。

しかも市場縮小に備えて、運営に特化することを理由としているが、パチンコ大手の平和を親会社とするPGMとの敵対的TOBが失敗して膠着状態となり、漁夫の利を狙った村上ファンドのダミーと見られるレノが大株主になっていることに触れていない。S-REITを使ったレノ保有株買い戻し資金づくりなのはミエミエなのに、「自社株買いも実施するもよう」とは何とも的外れと言うほかない。

これに対しアコーディアは当初、決定した事実はないというリリースをだした。白々しいので引用しよう。

当社に関する一部報道について

本日、一部報道機関より、「アコーディア、ゴルフ場 1000 億円売却 運営に特化」との当社にかかる報道がありましたが、当社より発表した内容ではございません。

当社は、2013年10月31日付プレスリリース「当社の経営戦略に関する検討状況について」においてお知らせしておりますとおり、当企業グループにおけるゴルフ場等のアセットライトの施策についての検討を継続的に進めておりますが、現時点で決定した事実はありません。公表すべき内容が確定した場合には、速やかに公表いたします。

しかし、シラを切れたのは1日だけ。リリースもよく読めば、否定コメントではなく、発表したものではないと言うだけで、28日に正式発表した。その日経記事は勝利宣言みたいだが、どうも前日の原稿の的外れを修正しているのが目立つ。

とにかく、日経の記事だけでは、この資金調達を主導する森・濱田松本法律事務所の石綿学弁護士の意図がよく読めないだろう。そこで、弊誌が載せた先の記事とその続報(13年11月号、「レノが牙剥き『石綿アコーディア』は驀進中」)をフリー記事としよう。

事実上、大半のゴルフ場を売り払って空っぽに近い運営会社だけとなるアコーディアの株主や会員に、6月株主総会に向けてちゃんと現実を見極めてもらいたいからだ。