阿部重夫主筆ブログ「最後から2番目の真実」

  • 2014年8月19日写真掲載ミスのお詫び

    最新号の巻頭記事「新国立競技場の森・石原『密約』」で、河野一郎JSC(日本スポーツ振興センター)理事長の顔写真は、竹田恆和JOC(日本オリンピック委員会)会長の誤りでした。お詫びして訂正します。

  • 2014年8月 1日やっぱりライナスは「ホラ吹き」、株価が暴落

    ほらね、やっぱり「ホラ吹き」だった。豪州のレアアース開発会社、ライナスのことです。

    同社は中国以外では世界最大級のマウントウェルド鉱山(西オーストラリア州)を保有し、経済産業省傘下の石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が約200億円を出融資しています。本誌は「レアアースの脱中国依存」を口実にした経産省の血税浪費を追及してきたから、ご存じの読者も多いでしょう。

    ライナスはレアアース相場の低迷やマレーシアに建設した精錬所の稼働遅延がたたり、経営危機に瀕しています。資金ショートで破綻するのを防ぐため、今年5月、既存株主に新株を割り当てるなどして約4000万豪ドル(約38億円)を調達。その際、「6月末までに精錬所をフル稼働させ、営業キャッシュフローを黒字にする」と吹聴していました。

    ところが、7月31日に発表した今年4~6月の四半期決算では、営業損益は2300万豪ドル(約22億円)の赤字。精錬所の稼働率は7割にも届きませんでした。そのうえ、レアアース製品の販売単価が前四半期より20%も下落。黒字化どころか、破綻リスクがますます高まっている現実が明らかになったわけです。

    泡を食った投資家が一斉に逃げ出したのは当然でしょう。ライナスの株価は31日と8月1日の2日間で一気に30%も暴落しました。

    ライナスはJOGMECに対する債務を2016年にかけて分割返済する契約になっており、今年9月末には3500万ドル(約36億円)の期限が来ます。ところが、6月末時点の現金および等価物は3810万豪ドル(約36億5000万円)しか残っていない。そこで同社は、野村ホールディングスの豪州子会社にJOGMECへの債務を肩代わりしてもらうべく交渉中と称しています。昨日の四半期決算では「具体的進展があった(Substantial progress has been made)」と明言しました。

    しかし、これもまたホラである可能性が高い。7月29日付のウォールストリートジャーナル(WSJ)は、ライナスと野村の交渉は難航していると報じています。しかもWSJによれば、野村側の交渉窓口は香港のチームだという。おそらく、野村が2008年に買収した旧リーマン・ブラザーズの「ハイエナ部隊」です。ライナスの弱みにつけ込み、骨までしゃぶる腹づもりではないか。

    伝え聞くところでは、経産省やJOGMECは「ライナスの債務を野村が代わりに返してくれる」と喜んでいるそうです。甘いにもほどがある。ライナスとの交渉がまとまらなくても、野村は痛くもかゆくもありません。交渉が不調に終われば、ライナスは即破綻でしょう。

    見え透いたホラを鵜呑みにして血税200億円をパーにしたうえ、マウントウェルド鉱山の閉山で脱中国にも失敗。そんな悲惨な事態になった時、経産省は国民にどう釈明するのでしょうか。そろそろ白旗を掲げ、お詫び会見をして頭を下げたほうがいい。