阿部重夫主筆ブログ「最後から2番目の真実」

2013年9月25日 [leaks]沈黙しちゃったアコーディア

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本誌最新号で「アコーディア『S-REIT』浮上」を報じたが、25日現在、同社は東証1部上場企業だというのに、リリースも何も出していない。シカト? そうはいきません。全国130コース以上のゴルフ場を保有するアコーディアの会員や株主から問い合わせが殺到している。知らぬ存ぜぬで通すつもりなのだろうか。それなら、本誌が同社に9月10日付で送った質問状と、同社の回答を例によってこのブログで公開しましょう。まず質問状です。

アコーディア
IR広報担当者様

アコーディア資金調達をめぐる質問状

ファクタ出版株式会社
月刊誌FACTA発行人 阿部重夫

拝啓
時下ご清祥のことと存じあげます。弊誌は調査報道を中心とする総合誌で、昨年来のPGMの敵対的TOBについても報道しております。PGMのTOB失敗後も弊誌は両社の動向をフォローして参りましたが、以下のように確認したいことがございます。お忙しいところ恐縮ですが、ご返答いただければ幸いです。

1) アコーディアがシンガポールの不動産投資信託(S‐REIT)による資金調達を検討中で、8月には取締役会の承認を得たというのは事実でしょうか。

2) 2年債の社債100億円の償還期限が到来するまでに、臨時株主総会を開いてS‐REIT上場の承認を求める予定はありますか。

3) 上記の取締役会の承認が事実なら、適時開示事項に該当すると考えますが、御社顧問の森・濱田松本法律事務所の石綿学弁護士から開示を求められませんでしたか。

以上です。大変恐縮ですが、締め切り直前で9月13日(金)までにご回答いただければ幸いです。よろしくお願い申し上げます。

9月10日


これに対し9月13日付でファクスで回答書が来た。

ファクタ出版株式会社御中

株式会社アコーディア・ゴルフ

ご回答

9月10日付けで頂戴いたしましたご質問の事項を決定した事実はございません。従いまして、現在、適時開示すべき事項は存在いたしません。

ご理解いただきますよう、よろしくお願い申しあげます。

以上

ここで解説しよう。

「決定した事実はございません」がミソである。これは質問状の「取締役会の承認を得たというのは事実か」という質問を微妙にずらして、はぐらかしている。裏読みすれば、「取締役会承認」は株主総会決定とは違うから、「決定した事実はない」と答えたにひとしい。つまり否定できなかったのだ。

そこまで読み切って弊誌10月号は、アコーディアがシンガポールで不動産投資信託(REIT)を上場し、最大2000億円を調達する予定だが、それは「危ない橋」だと報じた。

実は9月中旬時点でそのスポンサー探しをフィナンシャルアドバイザー(FA)の大和証券がやっているのだから、外に漏れるのは当たり前なのだ。

本誌より前に通信社などがそれを漏れ聞いて、アコーディアに問い合わせしたはずである。同社はそれをにべもなく否定した。「他と同じ回答にしとけ」とFACTAを見くびったのが仇。否定リリースも出せない窮地に陥ったのである。

さあ、これからどんな発表をするのか楽しみである。会見冒頭、「ファクタへ虚偽の回答をしたのみならず、適時開示義務を無視したことをお詫び申し上げます」と言ってもらおうか。