阿部重夫主筆ブログ「最後から2番目の真実」

  • 2013年3月29日SBIが墓穴を掘った反論リリース

    FACTA最新号の「SBIバイオテックが『一物二価』の怪」の記事に対し、SBIはほとんどヒステリックな反論リリースを直ちに発表した。もちろん、訴訟で対決しているので、SBIが「後家のふんばり」でいきり立つ気持ちは分からないではない。しかし、それでもなお、読者の方々は全面否定にFACTAは再反論しないのか、と思っていらっしゃるようなので、それに応えたいと思います。

    新訳聖書に「白く塗りたる墓」と偽善者を指弾する言葉がありますが、北尾SBIほど「白く塗りたる墓」はないと確信しました。それは以下のような理由からです。どちらの主張が正しいか、読者の方々はもう一度、この嘘に満ちたリリース文章を目を凝らして読んでいただきたい。

    「SBI未公開株組入ファンドⅢ」は、2012年12月25日付リリースのとおり、同ファンド保有株式を現物出資して、SBIバイオテック株式の割り当てを受けましたが、その際の割当価額の評価額は、2012年12月末時点で1株当たり20万円となりました。これに対して、「SBI未公開株組入ファンドⅢ」の取得価格については、SBIバイオテック株式の気配相場が発表されなくなってから1カ月経過後もその状態が継続しており、このような場合には未公開企業の直近決算期の1株当たりの純資産価格で評価するとする投資信託協会の規則に従って、2013年1月末時点で1株当たり2万8847円30銭としたものです

    しかしながら、2012年12月末以降、SBIバイオテックの経営状態が大きく変化したというものではなく、SBIバイオテックの時価評価額は引き続き1株当たり20万円であると考えられることから、「SBI未公開株組入ファンドⅢ」における1株当たり2万8847円30銭という評価額との差分は、将来的に同ファンドの投資家の方々に帰属する含み益に相当するものと考えております。

    他方、当社が保有するSBIバイオテック株式については、上記の投資信託協会規則の適用がないため、引き続き時価である20万円で評価しております。

    したがって、「SBI未公開株組入ファンドⅢ」と当社とで、保有するSBIバイオテック株式の評価額が異なることについて、何ら恣意的ないし不適切な点はございません。

    正直なところ、もう少し言い訳に知恵を使って欲しいというのが感想です。

  • 2013年3月26日「オリンパス内部告発」でいぶり出されるもの

    (この記事は昨日ロイターに配信したものです)

    こんな時事問題の出題はどうだろう。大王製紙の不正会計疑惑、女子柔道のパワハラ、大阪産業大学のやらせ受験……その共通点は何だったでしょうか。

    正解は「内部告発がきっかけ」。今や臭いものにフタができず、かえって深刻な問題に発展する例が後を絶たないのだ。と思っていたら、我々FACTA編集部が一昨年手がけたオリンパスからも、本誌に匿名社員の内部告発状が届いた。

    その内容をかいつまんで言うとこうだ。

    「オリンパスが特設注意市場から東証一部市場への復帰を目指して東京証券取引所に提出した内部管理体制確認書に虚偽の内容が含まれている。医療機器関連の海外工場で行われていない監査を行ったことにして、確認書の日付を改ざんした」というもの。東証一部復帰のために立ち上げられた上場審査プロジェクトメンバーほか、多くの社員が知っているのだそうだ。

  • 2013年3月23日オリンパスもう火ダルマ――別の内部告発メール

    これだけボコボコにブログで叩かれながら、不思議なことにオリンパスは「当社に関する一部報道について」というリリースを出さないまま(出せないまま?)、週末になだれこんでしまいました。

    2月13日には、間髪入れずに「一眼レフカメラ撤退」の報道を否定するリリースを出したのに、今回はうんともすんとも言わない。笹宏行社長、さっさと事実を認めて、高山前社長みたいにペコペコ会見をやったらいかがでしょうかね。

    さもないと、内部告発状がなだれのようにFACTAに舞い込んできますよ。こちらも目を離していると叱られてしまいます。たとえば、ひとつご紹介しましょうか。


  • 2013年3月22日オリンパス笹宏行社長の社員向け言い訳(社外秘)2

    大山鳴動、ネズミ一匹の続きです。笹社長が2月13日、社員に後ろめたそうに送った社外秘メッセージの分析です。では、メールの文章の引用から。

    一連の不祥事に関しての役員・従業員に対する責任調査は、本件をもって終了としますが、本質的な問題として、本件不祥事の中で実務に関与した従業員が、隠された事情は知らないまでも、異常事態を察知できる局面はいくつもあったように思います。

    おいおい、もう幕引きかね。そりゃ早いだろう。本誌への回答でも、内部管理体制確認書問題でまた新たに調査委員会をつくったそうな。調査委員会さえつくっときゃ、FACTAの目を逃れられるとでも思っているんですかね。お飾り委員会で、査問の仕方も知らない委員会をいくつ立ち上げたって、言い訳にはなりません。しかも知ってて指示に従ったという一人を処分したと言ったあとで、「隠された事情は知らないまでも、異常事態を察知できる」云々とは、頭隠して尻隠さずでしょう。

  • 2013年3月21日オリンパス笹宏行社長の社員向け言い訳(社外秘)1

    2月13日付でオリンパスの笹宏行社長が「関係者の責任追及に関して」と題して社員に送ったメッセージです。どう思います? 批評を加えながら引用します。 

    本日は、2月12日にグループ通達で発令した懲戒処分について補足します。

    過去の損失計上先送りとその解消に絡む一連の不祥事に対する対応として、第三者委員会、取締役責任調査委委員会、監査役等責任調査委員会を立ち上げて調査を進め、本件に関与した旧役員並びに外部関与者に対する責任を民事訴訟という形で現在進行中です。その一方で、従業員としての立場で本件に関与した者への対応についても検討してきました。外部弁護士にも協力を仰ぎ、社内調査に加え、現在進められている訴訟の中から得られる資料・情報も検証するなどして、関与した従業員の特定と、処分の妥当性について、詳細かつ慎重に検討してきました。

    のっけから弁解調です。役員と外部関係者への処罰は、何より東京地検による刑事告訴によりなされているものであり、民事はいわばその尻馬に乗ったもの。なのに、あたかも自ら主導して民事訴訟を起こして、役員処罰に積極的であるかのように見せていること自体、後ろめたさから発したものであることは間違いありません。

    この社長メッセージを「INTERNAL USE ONLY」(社外秘)として、外部に公表しなかったことが、オリンパスの後ろめたさを雄弁に物語っています。

  • 2013年3月20日本誌公開質問状に対するオリンパスの回答

    3月1日、本誌の質問状が届いて、オリンパスでは騒ぎになったそうだ。11年6月の株主総会前に送った本誌の最初の質問状に対し、木で鼻をくくったような回答をして、あとで大火傷した記憶がよみがえったのだろう。2年ぶりの悪夢が頭をよぎり、「またか!」と背筋が冷たくなったのだろうか。

    しかしこちらも、オリンパスが東証に提出した「内部管理体制確認書」に改ざんがあった、との内部告発状が届いているのだから、会社としての正式回答を聞かずにはいられません。びっくり箱で人を脅して喜ぶひねくれた性格ではないつもりですが、作法にのっとってお送りした次第です。

    すると3月6日、オリンパスの広報・IR室長名義でファクスによる回答書をいただきました。ありがとうございます。「下郎の分際で下がりおろう」と言わんばかりの2年前とは別格の待遇、ちゃんとお答えいただけるとは、身に余る光栄でございます。

    室長名は百武鉄雄様。目安箱に投書したら左遷されたオリンパス社員、浜田正晴氏の訴訟では、女性弁護士と組んで大活躍だった前秘書室長様です。

    おお、われわれもついに百武様直々のご回答を得られる身分となりましたか。カンゲキ、カンゲキ!

    しかも一昨年暮れには、百武様がおかくまいなされた菊川剛元会長とそのペットの隠れ家、白金の宿を本誌がみつけまして、いろいろお騒がせしましたっけ。そのマンション契約書に百武秘書室長の忠義のあかし、サインを視認いたしまして、このブログであっぱれポチと褒めたのが懐かしい。

    いまは新体制のもとでポチに磨きをかけていらっしゃるのでしょう。宿敵FACTAに回答状を書くお立場であらせられるとは、その勇気、見上げたものです。

  • 2013年3月19日オリンパスへの公開質問状

    久しぶりにオリンパスに質問状を送りました。

    菊川剛元会長らの逮捕と起訴、東証での上場維持、そして木本会長―笹社長への体制一新と、ソニーの資本参加でメエタシメデタシと思っている連中、および新聞など忘れっぽい既存メディアに対し、FACTAはまったく違う次元を歩んでいます。内部情報がある限り、オリンパスへの告発は終わらない。

    粉飾の中枢部門だった経理部などへの処分(課長たったひとりが懲戒処分であとはお咎めなし)を見ても、オリンパスを腐らせた戦犯たちはまだのうのうと生き残っていると見ているからです。司直もメディアも決着済みとフタをした案件でも、腐敗した根が残っているのなら、彼らが駆除されるまで「ターミネーター3」の液体人間のように形を変え手を変え品を変え、どこまでも追いかけます。

    さて、今回送った質問状は、東証自主規制法人の“無策無為”の理事長、林正和(元財務事務次官)のおかげで上場廃止を免れたオリンパスは、「特別注意指定銘柄」とされて最長3年ほどは“保護観察処分”の身で、東証に内部管理体制などをいちいち報告しなければなりません。

    その内部管理体制確認書を改竄した、との内部告発状がFACTAに寄せられました。その裏づけをとったうえで質問状を発したものです。これは保護観察中の問題児企業が、依然として「非行」を隠しているにひとしい。問題社員の追及や処分を疎かにし、粉飾の企業体質を温存しているのが、オリンパスの現状とみて、最新号の4月号で「オリンパスが東証確認書を『改竄』」(山口義正記者)の記事を掲載しています。

    質問状は以下の通りです。

  • 2013年3月18日オンライン版公開は午後4時から

    本日18日はオンライン会員にご契約いただいている読者に、一足先に誌面をお読みいただけるオンライン公開日ですが、製作過程の都合もあり、公開を正午から午後4時に変更いたします。

    株式市場の場中の公開は不測の混乱を招く恐れもありますので、今後も毎月18日のオンライン版公開は午後4時とします。ご了承ください。

    ファクタ出版ウェブサイト担当

  • 2013年3月17日教皇フランシスコ1世と『薔薇の名前』

    初物尽くしの新ローマ教皇フランシスコ1世について一言。小生はカソリックでも、クリスチャンでもないが、アルゼンチンのホルヘ・マリオ・ベルゴリオ枢機卿(76)がなぜ、第266代にいたるまで忌避されてきた「フランシスコ」の名を選んだのか、誰も説明してくれないのがちょっと不満です。

    新聞はもっぱら、中南米出身の法王は史上初めてで、欧州以外の地域から法王が誕生するのは第90代法王のシリア人グレゴリウス3世(在位731〜741年)以来1272年ぶりだということ、さらにイエズス会出身の教皇も初めてだということを強調しています。

    確かに教会力学から言えば、バチカン銀行の金銭スキャンダルや有力枢機卿のセクハラ・スキャンダルが多々起きており、欧州人でない教皇を選ぼうというモチベーションが働いたのでしょう。毎日新聞は、地元紙の記事をこう転電(引き写し)しています。

  • 2013年3月 2日首相官邸「聞いてなかったことにしよう」ホラー

    3月6日、つまり来週の水曜日にホラーが起きる。

    この日、東京高裁でいわゆる「一票の格差」訴訟の判決がある。またか、と思うなかれ。昨年暮れに安倍自民党が圧勝し、野田民主党がボロ負けした総選挙を対象に、合憲かどうかを問う裁判が全国高裁・支部で14訴訟が提起されていて、第一弾の判決が言い渡されるのだ。審理迅速化の原則100日ルールにより、3月27日までに次々判決が下される。

    さて、思い出してほしい。野田前首相は衆院小選挙区の「0増5減」を実行する法案を速やかに成立させることを条件に、自民・公明党と「3党合意」して解散に応じたのだ。つまり、最高裁大法廷で昨年、前総選挙を「違憲状態」とする判決が出たにもかかわらず、「0増5減」を“予約”する形で、旧区割りのまま総選挙を実施した。

  • 2013年3月 1日27日のNHK「クローズアップ現代」はチンドン屋以下

    チンドン屋どころじゃなかった。NHKはもう報道機関の看板を下ろしたほうがいい。

    言うまでもなく、本ブログで予告した2月27日の「クローズアップ現代」のことです。「密着レアアース調査船~“脱中国”はできるのか~」と題したルポの実態は、南鳥島沖の海底に眠るレアアースをダシに予算を獲得したい文部科学省や海洋研究開発機構(JAMSTEC)の片棒を担ぐ広報番組。そこまでは予想の範囲内でした。

    ところが、海底レアアースの価値を誇張しようと、NHKがわざと事実を隠したりねじ曲げたりしているのに驚愕しました。報道機関としての一線を超えており、とても看過できない。