阿部重夫発行人ブログ「最後から2番目の真実」

  • 2013年2月26日FBIが終わらせない「オリンパス周辺」追及

    (この記事は本日ロイターに配信したものです)

    今回はおトクな個別銘柄情報をひとつお届けしよう。

    その銘柄の名を聞くと市場関係者だけでなく、捜査当局も色めき立つというとびきり元気な会社だ。オリンパス事件で登場した海外ファンドの実質的オーナーが社長を務め、このところ兜町の金融ブローカーの間に「M資金が動いて1000円まで値上がりする」という怪情報が乱れ飛んでいるという。そのためか昨年11月には200円そこそこだったジャスダックの株価は値動きも軽く、今年に入って700円をうかがう展開になった。

    このオーナーに対してマネーロンダリングの疑いがかけられていることは前回の当コラムで触れたとおりだが、実はつい最近になって米連邦捜査局(FBI)が来日し、オーナーについて関係者から話を聞いて帰ったという。今頃はシンガポールや香港で収集した情報も持ち寄り、4日間にわたって開かれた報告会を終えたばかりのはずだ。

  • 2013年2月26日27日のNHK「クローズアップ現代」はチンドン屋になるか

    今回は大丈夫でしょうね? 

    本ブログが「日経より悲惨な」と指摘したNHKのレアアース報道について、NHK首脳の関係者から電話をいただき、非公式のコメントとして「ご指摘の通りでした」と案外素直に受け入れられました。

    訂正うんぬんは言葉を濁していましたが、実はその踏み絵が目前に迫っています。2月27日の「クローズアップ現代」でレアアース問題を取り上げると予告しているからです。

    クロ現の公式ブログによれば、タイトルは「密着レアアース調査船~“脱中国”はできるのか~」だそうで、はてさてどう報道するのか、ワクワクさせられます。

    というのは、先のニュース報道はどうやら経済部発だったらしく、1300億円も予算をふんだくっておきながら空振りのレアアース予算の正当化のために、経済産業省が“御用放送”を利用してミスリードした形跡があるからです。

  • 2013年2月24日時代を読む――ベラスケスとベイコン、富者の心得

    新潟日報など日本海側の新聞に寄稿しているコラム「時代を読む」を掲載しました。

    *   *   *   *   *

    フランシス・ベーコンが日本にやって来る。といっても16~17世紀の哲学者のほうではない。

    グロテスクだが、一目見たら忘れられない強烈な絵を描いた20世紀の画家で、すでに価格はピカソより高い。甘口好きな日本人は敬遠しがちだが、知る人ぞ知る画家だろう。東京国立近代美術館で3月8日~5月26日に33点の展覧会を開くから、機会があったらぜひ一度ご覧を。

    あれは1996年5月だった。ロンドンの投資会社のオーナーで有名な美術収集家から、特別なパーティーに招待された。あの広大なナショナル・ギャラリーを全館借り切ったという。

  • 2013年2月18日日経のレアアース報道のお粗末2

    懲りないなあ、日経も。

    またお粗末なレアアース報道をしています。2月17日付の朝刊中面に掲載された「窮地に立つ日本企業 レアアース問題のその後」と題する記事。レアアースを原料に使う高性能磁石を生産する日本メーカーが、中国の新興磁石メーカーの安値攻勢、中国政府の自国産業保護、日本の経産省の技術移転規制などにより苦境に追い込まれているという。

    実はこの記事、「電子版セレクション」と銘打っていて、もともと2月12日に日経電子版に掲載された記事をおよそ半分に短縮し、日経本紙の日曜版に転載したものです。電子版の原文もウェブサイトに残っているから、両方を読み比べれば、担当デスクがどの部分を削除したかが一目瞭然にわかります。

  • 2013年2月 5日日経より悲惨なNHKのレアアース報道

    2月2日のブログで日経新聞のレアアース報道のお粗末ぶりを指弾したら、NHKからもっと悲惨なものが出てきました。同じ日に放送された『レアアース 中国からの輸入が減少』と題するニュース。テレビでは見逃したが、NHKのウェブサイトに動画付きで公開されています。

    下記の引用を一読すれば明らかなように、「誤報」と言っても過言ではないレベルで突っ込みどころが満載。一定期間が過ぎるとNHKのウェブサイトでは読めなくなるから、記録を兼ねてこちらに「魚拓」も貼っておこう

  • 2013年2月 4日井上久男『メイドイン ジャパン 驕りの代償』のススメ

    安倍政権の「三本の矢」に期待が集まっている。一本目の矢が金融政策(思い切った量的緩和)、二本目の矢が財政出動(補正・本予算での公共投資増大)、そして三本目の矢が成長戦略である。

    一本目、二本目の矢は実はそう難しくない。日銀と財務省の尻を叩けばいいからである。が、三本目の矢は霞が関ではどうにもならない。それを勘違いしているのが、3・11で閉門蟄居の身となっていたのに、安倍官邸では一転して政務秘書官を送りこんで、捲土重来と鼻を膨らましている経済産業省である。

    経済産業政策局長、石黒憲彦氏の「志本主義のススメ」のブログがその典型ですな。どうせ部下に書かせているのだろうが、四人組時代の石黒氏を知っている身としては、ちゃんちゃらおかしい。当時の産政局長解任に走り回ったのはたった1週間、衆寡敵せずと見るや、たちまち洞ヶ峠だった。

    そんな彼に、産業再生なんて語る資格があるとは思えない。たとえば、1年前、エルピーダ会社更生法申請のときに、「志本主義のススメ」で何て書いたか。

  • 2013年2月 2日日経のレアアース報道のお粗末

    思わず苦笑してしまいました。1月31日付の日経朝刊の国際面に載った『中国レアアース輸出額、12年は66%減 価格低迷で』と題する記事のことです。中国の通関統計から、2012年のレアアース「輸出額」が前年比66.1%も減少したことが判明。しかし「輸出量」は同3.5%しか減っておらず、輸出額の激減はレアアース価格の低迷が原因という内容です。

    ポイントは価格低迷の理由。記事にはこう書かれています。

    価格低迷の背景には、レアアース需要の急増にかけていた投機筋が損失覚悟の売りに動いたこともある。日本企業の技術開発などでレアアース需要の急激な増加が見込めなくなった。中国でもレアアースが高騰する11年夏まではエアコン向けなどに、レアアースが必要な高性能磁石を採用する動きが広がった。しかし、価格高騰を受け、急速に高性能磁石の使用を控えるようになった。

    おやおや、と思いましたよ。この記事は中国特派員の署名入りですが、日経は昨年10月25日付の朝刊に同じ記者の署名で『中国、政治利用が裏目に レアアース生産停止』という記事を掲載。価格低迷の理由を次のように解説していました。