阿部重夫主筆ブログ「最後から2番目の真実」

2012年11月21日 [leaks]旧アルゼ(ユニバーサル・エンターテインメント)の第二回答

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前回のブログで書いたパチスロ大手、ユニバーサルエンターテインメント(旧アルゼ、ジャスダック上場)からの第二回答です。弊誌の下版には間に合いませんでしたが、最新号記事の内容を本質的に覆すものでないことは、回答を読めばお分かり頂けると思います。同社が掲載先送りを要望した記事を弊誌は掲載しておりますが、その対応がフェアであることを証明するために、ここに全文を掲げます。

1.事実関係を調査したところ、当社が関係資料を確認した限りでは、2009年10月から2010年5月までの間に、「アルゼUSA日本支社から香港の連結子会社Future Fortune Limitedへ3回に分けて4000万ドルの海外送金をした」との事実は確認できませんでした。

2.よって、「このうち3500万ドルがFuture Fortune Limitdから、香港の企業へ4回に分けて『コンサルタンドフィー』として支払われたとされていますが、事実でしょうか」とのご質問につきましては、前提となる事実を欠くため、現時点では回答することができません。

ただし、貴社が保有する根拠資料を開示いただければ、より正確な回答ができる可能性があります。

3.「海外送金された4000万ドルのうち、3000万ドルがフィリピンでカジノ認可権を持つ公社PAGCORの代理人と称する有力者に支払われ、残る1000万ドルが日本に戻されたという情報もありますが、これは事実でしょうか?」とのご質問につきましては、上記2.同様に前提となる事実を欠くうえ、「PAGCORの代理人と称する有力者」が誰を指すのか不透明であるため、現時点では回答することができません。

ただし、貴社が保有する根拠資料を開示いただき、かつ「PAGCORの代理人と称する有力者」が誰を指すか明確にしていただければ、より正確な回答ができる可能性があります。

上記の点について明らかにならない限り、ご質問に陽について正確に具体的な回答を行うことは困難ですが、その点を措くとして、現時点で当社が認識している事実について、以下のとおりご説明申し上げます。

当社のフィリピンにおけるカジノ関連事業について、フィリピン政府より暫定ライセンスを得たのは2008年であり、当該暫定ライセンスの取得のために、当社が、当該暫定ライセンス取得後である2009年から2010年にかけて、何らかの資金を拠出すべき合理的理由は何ら認められず、常識的に考えても、ライセンス取得後に、「工作資金」なるものを拠出することなどあり得ないことは、容易にご理解いただけるものと考えます。

また、当該暫定ライセンスに基づく正規ライセンスは、予め計画されたプロジェクトが完了し、かつ規制当局が承認したプロジェクト費用その他の暫定ライセンス所定の条件に適合してさえいれば、自動的に発行されるものであり、正規ライセンスの発行について規制当局に裁量判断の余地はないことも、当社が、当該正規ライセンス取得に関して、何らかの「工作資金」なるものを拠出すべき合理的理由ないし経済的動機を有しないことを裏付けております。

さらに、当社は、フィリピンで事業を進めるに当たっては、これまで同国で最も有力な法律事務所の1つとされるシシップ法律事務所及び他の専門家の助言に従い、同国の法令を遵守して事業を推進する体制を採っております。

くわえて、当社のフィリピンにおけるカジノ関連事業は、暫定ライセンスを取得した4社、即ちTravellers International Hotel Group, Inc., Bloombery Resorts and Hotels. Inc., Belle Corporation, Tiger Resorts Leisure and Entertainment, Inc.(当社)が協同して事業を推進していく体制を採っており、当社だけが突出してフィリピンの政府機関等から何らかの便宜を享受しようと言う状況にないことも、当社が同事業について適正に運営・推進していることをご理解いただくうえで重要な点と考えます。

4.「御社は8月20日、元アルゼUSA日本支社長の飛田光雄氏が10年5月18日にアルゼUSA名義の三菱東京UFJ銀行の外貨預金口座から、金500万ドルを無断で引き出して『コンサルティング費』として海外送金をして損害を被ったとして、1億円の賠償を求めて飛田氏に訴訟を起こしていますが、この500万ドルは上記の支払いの一部ではないのでしょうか。」とのご質問につきましても、上記2.同様に前提となる事実を欠くため、現時点では回答することができません。

ただし、貴社が保有する根拠資料を開示いただければ、より正確な回答ができる可能性があります。

なお、当社が飛田光雄氏に対し、1億円の損害賠償を求める訴訟を提起したことは事実ですが、当社は、飛田氏がコンサルティング費として金500万ドルを引き出したとの主張は行っておりません。

5.「今年8月、米国ネヴァダ州のGaming Control BoardのSenior AgentであるBrandon Griffith氏が来日し、ユニバーサルエンターテインメントおよびアルゼUSA日本支社を訪れて海外送金について調査をしたと聞きましたが、これは事実でしょうか?」とのご質問については、同氏が当社を訪れたのは事実です。

しかしながら、同委員会の調査目的が何であったかは当社には分かりかねるものの、少なくとも、当社およびアルゼUSAとして、海外送金について調査を受けたとの認識はございません。

この点につきましても、貴社が保有する根拠資料を開示いただければ、より正確な回答ができる可能性があります。   草々

株式会社ユニバーサルエンターテインメント
上記代理人弁護士 荒井 祐樹

以上が回答です。分析しましょう。1から4までの質問に対し、アルゼUSA日本支社から香港の連結子会社への送金4000万ドルは「事実は確認できませんでした」ので、前提となる事実を欠くため回答できないというものである。「事実が確認できない」とは、「事実がない」のか「社内資料を代理人は見せてもらえない」のか「開示する気がない」のか、曖昧な言い方で、それをいきなり「事実を欠く」とするのは論理的飛躍です。むしろ「「事実はない」と全面否定でなく、曖昧な言い方にしたのは、当方から見れば、それに相当する送金があったので、否定すると逃げ場がなくなると判断したのだろうと思えます。

執拗に「根拠資料を開示すれば正確な回答ができる」と誘いをかけていますね。これはトラップでしょう。取材源、漏洩源を突き止めようと必死なのでしょうが、弊誌はその手には乗りません。ウィン側が訴訟で証拠申請してくれば、お目にかかれるでしょうから、当方からお見せするつもりはありません。

いや、ウィンが雇ったFBI別動隊の調査会社がそれをもとに、フィリピン政界を深く探索すれば、もっと面白い展開になるのかもしれません。

この第二回答の白眉は、5でネバダ州GCBのブランドン・グリフィス氏がユニバーサルとアルゼUSA日本支社(両社は同じ場所)を訪問したことを認めたことです。海外送金についての「調査を受けたの認識はない」としていますが、これまたビミョーなお答えです。では、何の調査でしたか、とすぐ突っ込まれます。それについては、これまた根拠資料開示の条件つきのようです。

つまりは、手の内を明かさないと、これ以上答えられないというメッセージなのでしょう。しかしユニバーサルの株主も、ウィンやFBI別動隊も、そしてGCBや日米比の国税当局も、この件ではそれぞれ強い関心を寄せています。そして内外の心あるメディアも。いつまでも蓋をしていられないと思います。