阿部重夫主筆ブログ「最後から2番目の真実」

2012年6月19日 モブキャストへの公開質問状

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交流サイト(SNS)のソーシャルゲームで、「コンプガチャ」の射幸性が社会的に騒がれているなかで、独立系プラットフォームの「モブキャスト」(3664)が6月26日に東証マザーズに上場される。

14日に公開価格が決まり、仮条件(640~800円)(単位100株)上限の800円となり、6月18日から21日までの申し込み期間である。

本誌はモブキャスト上場に疑義を呈する。その理由は最新号「『ハイエナ』同伴のモブキャスト上場」をお読みください。上場承認を与えた東証、主幹事証券の三菱UFJモルガン・スタンレー証券、マーケットメーカーとして参加する大和、SBI、岩井コスモ、丸三、いちよし、岡三の証券各社の非常識を批判するため、本誌がモブキャストと監査法人のA&Aパートナーズに送った質問状を公開する。

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モブキャスト 広報担当石橋さま
          
取材のお願い
            
拝啓 時下ますますご清祥のことと存じ上げます。昨日、電話でお願いしました「御社の上場に関する幾つかの疑問」につきまして、「依頼書」を作成しましたのでお送りします。

弊誌(ホームページがありますのでご参照ください)は会員制の経済月刊誌ですが、上場企業が業績不振に陥った際の資金調達につきまして、「反市場勢力」が食い込んでくる可能性が高く、それが犯罪を誘引することが多いために厳しく監視、批判的に報じてきました。そうした勢力の事を「資本のハイエナ」と表記、現在、証券取引等監視委員会が重点的に調査するきっかけを作ったと自負しております。

「反市場勢力」とは、暴力団との関連性をもって語られる「反社会勢力」ではなく、「自らの利益の為に、上場企業や株主、そして証券市場を汚す勢力」と定義づけられるもので、「反社会的勢力」を取り込む幅広いものです。

「反市場勢力」であることが金融商品取引法などに即時抵触するわけではないとはいえ、一度、「怪しい資金調達」に手を染めた企業(人物)は、何度も繰り返す“習性”があり、それが人脈を形成、反市場勢力間で複雑な人間模様を形成、やがて事件化していく過程を、弊誌は何度も目にし、報じてきました。

弊誌が御社の上場に疑問を持つのは、役員や大株主のなかに「反市場勢力」と呼んで差し支えないような方がいるからです。存在自体は合法でも、過去に繰り返した「怪しい資金調達」への便乗は、それを“習性”と捉え、報じるべきだと考えております。

その問題を中心に、上場準備の過程で御社が行った幾つかの“工作”についても耳にしており、それを含めて、以下にお答えいただけませんでしょうか。

①「反市場勢力」が生息する「ハコ」と呼ばれる上場企業、もしくはそれに付随する未上場企業は限られており、弊誌は、そうした企業に偶然ではなく積極的にかかわった企業(人物)を、「反市場勢力」として問題にしています。それに該当しているのは、以下の方々です。

・清田卓生取締役(日本エーエム、ビービーエー、ハート&ブレイブコンサルティング、ビットアイル)
・寺田航平ビットアイル代表(モバイルジャッジ、デジタルアドベンチャー)
・藤井雅俊元取締役(ジャパンデジタルコンテンツ信託)
・前川昌之監査役(ザウスコミュニケーションズ、パワーインベストメント)
・高森浩一監査役(ゲートウェイ、プリンシバルコーポレーション)

ひとりふたりではなく、これだけの役員・元役員・大株主が、直接間接にハコ企業に関わっているのは尋常ではありません。御社の企業体質が問われると思うのですが、どう認識していますか。

②会社設立時から上場を意識していた藪代表は、第一期から監査を入れていたと聞いております。にもかかわらず、A&Aパートナーズが監査証明を出したのが第7期と第8期だけであるのはなぜでしょうか。

③上に絡みまして、弊誌は、御社が第5期において取引先企業の「映人」などを通じた「循環取引」に踏み切り、数千万円の売り上げを立てたという情報を入手しております。また、第6期において映像部門から撤退、相当な赤字決算を余儀なくされ、第7期から業績が上向いたために、第7期と第8期の2期分の監査証明となったと聞いているのですが事実でしょうか。

質問は以上です。6月20日発売のFACTA7月号での掲載を予定しており、恐縮ですが、6月11日(月曜日)までにご回答をいただけませんでしょうか。よろしくご検討ください。   敬具
 

続いて監査法人のA&Aパートナーズにも以下の質問状を送った。

監査法人A&Aパートナーズ
日高様

取材のお願い

拝啓、時下ますますご清祥のことと存じます。昨日、電話でお願いしました「御社の上場に関する幾つかの疑問」につきまして、「依頼書」を作成しましたのでお送りします。

電話で、「守秘義務があるのでお答えできない」と言われたことについては十分、承知しておりますので、以下の2点のみご回答いただけませんでしょうか。

①モブキャストの藪代表は、会社設立時から上場を意識しており、第1期から監査を入れていたと聞いております。にもかかわらず、貴法人は第7期と第8期の2期分のみ監査証明を出しています。これはなぜでしょうか。

②弊誌が収集した情報では、モブキャストは第5期で取引先を巻き込んだ「循環取引」を行い、第6期にそれは行わなかったものの、映像部門の撤退による相当な赤字決算を余儀なくされ、そうした「負の決算」であったために、貴法人は第5期と第6期の監査証明を出さなかったと聞いていますが、事実でしょうか。

掲載氏は6月20日発売のFACTA7月号を予定しており、恐縮ですが、6月11日(月)までにご回答いただけないでしょうか。よろしくご検討ください。

いずれも回答をいただいたが、その骨子は最新号記事に載せた。いずれ支障のない限り全文を公開しよう。弊誌はモブキャストが晴れて上場したら、公開企業としての義務をまっとうできるかどうか、徹底して追求していくつもりだ。