阿部重夫発行人ブログ「最後から2番目の真実」

  • 2012年11月21日旧アルゼ(ユニバーサル・エンターテインメント)の第二回答

    前回のブログで書いたパチスロ大手、ユニバーサルエンターテインメント(旧アルゼ、ジャスダック上場)からの第二回答です。弊誌の下版には間に合いませんでしたが、最新号記事の内容を本質的に覆すものでないことは、回答を読めばお分かり頂けると思います。同社が掲載先送りを要望した記事を弊誌は掲載しておりますが、その対応がフェアであることを証明するために、ここに全文を掲げます。

  • 2012年11月19日旧アルゼ(ユニバーサル・エンターテインメント)の第一回答

    前回のブログの続きである。

    フィリピン・カジノホテル開発について、ユニバーサル・エンターテインメント(旧アルゼ、ジャスダック上場)の代理人弁護士から、11月13日の日付で以下のような回答をいただいた。

  • 2012年11月15日旧アルゼ(ユニバーサル・エンターテインメント)への質問状

    最新号では、パチスロ大手、ユニバーサル・エンターテインメント(旧アルゼ、ジャスダック上場)とラスベガスのカジノ王、スティーブ・ウィンとの訴訟合戦で浮上した、内部文書と目される文書についての記事( 「岡田vsウィン」カジノ訴訟に仰天文書 )を掲載しています。

    ユニバーサルの創業者、岡田和生会長が2000年当時、資金難に苦しむウィンに出資した当座は蜜月で、ウィンのマカオ進出も中国の富裕層の殺到で大成功を収めました。集英社インターナショナルからは『ラスベガス・カジノホテル 最も新しい挑戦』などという本を共著で出すほどでした。

    ところが、独自にカジノホテルを運営したい岡田社長は、ウィンの反対を押し切ってフィリピンのマニラ湾にリゾート兼カジノホテル建設を進める計画を進め、とうとう2人が決裂してこの2月、ウィン側が筆頭株主である岡田氏を取締役から解任、「不正行為があった」としてその株式まで3分の1の価格で取り上げる強行手段に出ました。この「不正」とは、フィリピンでカジノのライセンスを交付する権限を持つ公社に対する贈賄や供応です。その調査をウィン側はFBI元長官の運営する調査会社に委ねたことから、ウィンは本気でユニバーサル側の「不正行為」を暴いて、アメリカの海外腐敗行為防止法(FCPA)の基づいてユニバーサルを叩きのめす意気込みのようです。

  • 2012年11月10日ヨルムンガンドとリヴァイアサン12 魔女のほうき

    ジル・ドゥルーズが引用しなければ、ニューヨーク生まれのユダヤ人作家、バーナード・マラマッドが、ピューリッツア賞を受賞した小説『フィクサー』で、スピノザに触れていたことなど思い出さなかったろう。

    マラマッドはまじめに読んだことがない。たぶん、ほとんど出席しなかった大学の授業で、だれか英米文学の教師がマラマッドの何か(忘れたけどThe Magic Barrelだったかな)を教本に選んだことから、教師嫌いとまぜこぜになって、ほとんど食わず嫌いになってしまった。でも、映画化されたロバート・レッドフォード主演の野球映画『ナチュラル』は悪くなかった。彼がどこかで書いたという警句は今も気に入っている。

    あらゆる人間はユダヤ人である。ただし、それを知っている人は少ない。


  • 2012年11月 9日読売新聞の「犬記者」へ

    ちょうど週刊文春(11月15日号)で「ナベツネの違法行為を暴露する読売現秘書部長『爆弾日記』公開!」を読んだところだった。ご老体ナベツネの運転免許更新に高齢者講習を受けずにすむよう、警視庁キャップが奔走しているという記事(読売はこの日記を怪文書として抗議書を送った)に、そぞろ哀れを催した。

    そしたら、弊社を嗅ぎまわりにその読売の社会部記者が出現したという。弊社に直に来るならまだかわいげがある。持ち株会社の代表者のもとにやってきて、株主のこと、代表になっている理由などをあれこれ尋ねたそうだ。これって圧力? どうみても、通常の取材とは考えられませんね。

    社会部の田中重人記者である。かわいそうに。恥ずかしいだろうなあ。小生は満腔の同情を覚えます。

    せっかく新聞記者になって、しかも読売のヒノキ舞台の社会部に所属して、まともな取材でなく、主筆のために嗅ぎまわる犬稼業とは。法人登記を見てきたそうだから、九段の法務省出張所に行ったのでしょう。

    でも、残念。何にも餌はもらえなかった。だが、飛んで火に入る夏の虫。代わりにこうして「犬」記者であることが満天下にさらされることになった。記者としてはお気の毒だが、文春に書かれた山越高士秘書部長と同じく、将来、秘書部長にはなれるかもしれません。

  • 2012年11月 7日オーギュスト・ブランキ『天体による永遠』書評

    2012年11月3日付の熊本日日新聞で書評しました。

    オーギュスト・ブランキ『天体による永遠』(浜本正文訳、岩波文庫)という本です。単行本として絶版になっていたものを岩波が文庫本として再刊したものです。新刊本ではないのですが、ほとんど幻の本で、初版はあんまり評判にならなかったと記憶していますので、あえて書評に取り上げました。

  • 2012年11月 6日ヨルムンガンドとリヴァイアサン12 スピノザ

    サン=テグジュペリの『人間の土地』は、サハラ砂漠で不時着した体験を描いている。それは『星の王子様』の原体験とも言えるが、奇跡の生還といった感激の体験記ではない。ひとたび「鳥の目」で世界を見てしまった男が、じぶんの生死もこの世の一切も、臨死の目で見ている不思議な浮遊感に包まれている。瀕死の床に横たわる自分を、部屋の片隅から見下ろすような遊体感覚である。

    ヨルムンガンドの「空の遮断」も、ほんとうはそんな遊体世界が降臨することだったのではなかろうか。もちろん、そんな降臨などありえない。憲法9条の待ちぼうけが、いつかかなえられるという空しい期待と同じように。ユダヤ民族の「約束の地」も、カントの「永遠平和」も、ベケットの「ゴドー」も、けっしてその日は来ない。

    コミックスの『ヨルムンガンド』で、青空にかざしたテンキーの移動体発信機に「発動!」と叫んでも、「新しい世界」が発動することはすべからくない。物語はそこで幕、いや、終わらざるを得ない。絶対平和のヨルムンガンドが、国家というリヴァイアサンに入れ替わることなど、どこまでも絵空事だからだ。

    しかし何かが残る。逆説的だが、ヨルムンガンドが抹消しようとした「鳥の目」が残る。

  • 2012年11月 5日ヨルムンガンドとリヴァイアサン11 サン=テグジュペリ

    「空だけはどうすることもできない。翼も手も足もないこの身では」という世界蛇ヨルムンガンドは、空を遮断する。それは何を失うことを意味するのか。

    バード・アイ。つまり鳥の目を失うこと。空から地上を見る「鳥瞰」が許されなくなる。

    しかし、人間が「鳥の目」を手に入れたのはそう古いことではない。初期商業飛行便のパイロットだった『星の王子様』のサン=テグジュペリが、人が空に舞い上がった日、「道路に欺かれていた」と愕然とする新鮮な驚きを書き残している。

    飛行機は、機械には相違ないが、しかしまたなんと微妙な分析の道具だろう! この道具がぼくらに大地の真の相貌を発見させてくれる。道路というものが、そういえば、幾世紀のあいだ、ぼくらを欺いていたのだった。ぼくらもじつは、人民たちが自分の政治に満足しているかどうかを知るため、彼らを一度訪問しようと希望したというあの昔話の王様のようなものだったのだ。廷臣たちは、王様を欺いて、そのお通りすじの両側に、楽しそうな背景を作りあげ、人を雇って、その前で踊らせておいた。細いひと筋の道以外、王は自分の国の何ものにも気がつかず、田舎の奥で飢え死にしてゆきつつある民草が、自分を怨嗟していることにはまるで気づかずにしまった。(『人間の土地』第4章「飛行機と宇宙」)

    ピョンヤンが典型だろうが、スターリニズム時代の社会主義国家の首都の光景が、大なり小なりこの昔話の王様のように、民の悲惨の目隠しであったことはよく知られている。

  • 2012年11月 1日ヨルムンガンドとリヴァイアサン10 永遠の待ちぼうけ

    女武器商人ココ・ヘクマティアルが命名した世界蛇「ヨルムンガンド」とは何か。ココ自身が長広舌をふるってその正体を明かす場面がNew World Phase 12にある。ヨルムンガンドの正体を明かしたココに、ヨナが拳銃をつきつけて「ココは間違ってる‼」と叫ぶシーンだ。

    ネタばれになるから正体は言わないが、そこに憲法9条のパラドクスがくっきりと姿を現す。