阿部重夫発行人ブログ「最後から2番目の真実」

  • 2012年6月28日セラーテムの御用弁護士を応援しよう

    セラーテムの呪いでしょうか。大証は昨日(6月27日)の前場、整理ポスト入りしたセラーテム株を売買停止にしました。前日の終値は505円だったのに、取引システムの値幅上限が385円に設定されていたのが原因です。セラーテムは6月21日に配当予想を無配に修正、26日が権利確定日でした。ところが、大証はこの修正を取引システムに反映し忘れ、取引開始直前まで気付かなかった。なんという大ポカ。特捜部が起訴した後、ぐずぐずせずに上場廃止を決断していれば、こんな恥の上塗りは避けられたでしょうに。ご愁傷様です。

    ところで、本誌がなぜセラーテムを執拗に追及し続けるのか、不思議がる向きがあるようです。新興市場のイカサマ企業は珍しくないし、オリンパスのような有名企業でもない。首謀者の社長と元CFOがすでに逮捕・起訴されたのだから、事件はもう終わりじゃないのかと。

    何もわかっちゃいない。セラーテムのイカサマは残った「共犯者」たちの手で今、この瞬間にも続いている。それを知りながら報じなければ調査報道の名がすたります。

  • 2012年6月26日行ってみようかな『媚びない人生』講演会

    やれやれ、あきれました。

    6月21日にこのブログで公開した慶応大学大学院の金正勲「特任」准教授の経歴についての質問状ですが、リンクを張っておいた金ゼミ生の名簿リストが「金正勲研究会」のサイトから突如消えました。

    なんの断りもなく、言い訳もなく。消したということは、やはり後ろめたいのでしょうか。恥をかかせたゼミ生に、ひとこと謝罪の言葉があってもよさそうですけど。

    それで、媚びない人生ですか。懸命にフタしてまわって、みっともないと思わないのかな。オリンパスでも「エミールと探偵たち」を引用しましたが、「逆パノプティコン社会」はどこまでも追いかけていきますよ。

    金先生は7月25日に『媚びない人生』の講演会を開くそうです。会場に潜りこんで聞いてみようかな。

  • 2012年6月26日セラーテムは監査法人もインチキ

    ちょっと間があいたが、6月20日のブログの続きです。セラーテムの上場廃止を決定した大阪証券取引所が、「セラーテムテクノロジーの上場廃止理由について」なる補足資料を公表し、市場関係者の物笑いの種になっていることは既に触れました。今回は「上場廃止理由1」に挙げられた「監査法人の結論不表明」について検証します。

    上場企業の決算書を監査する過程で、監査法人(会計監査人)が粉飾や虚偽記載の可能性を見つけ、それを打ち消す十分な証拠が提示されなかった場合、監査法人は「意見を表明しない」ケースがあります。要するに、「この決算書は信用できない」という意思表示です。監査法人の意見表明は、証券取引所が企業の上場を維持すべきか廃止すべきか判断する重要な基準の1つ。「意見不表明」でも即座に上場廃止とは限らないが、ほとんどの場合、監査法人から企業への死刑宣告に等しいのが現実と言える。

    上場企業の不祥事が相次ぐ昨今、「意見の不表明」は珍しくない。ところが、セラーテムの会計監査人を務めるパシフィック監査法人が出したのは「結論の不表明」であり、これは初耳でした。一体何が違うのかと、セラーテムが6月15日に提出した四半期報告書に添付されている監査報告書を読んだら、思わず唖然とさせられた。問題の部分を下に引用します。

  • 2012年6月26日モブキャスト上場を強行した東証に抗議する

    本誌最新号で「『ハイエナ』同伴のモブキャスト上場」と題して、ソーシャルゲームの独立系プラットフォーム、モブキャストの東証マザーズ上場に異議を唱えた。本誌質問状に対するモブキャスト、および監査法人A&Aパートナーズの回答は納得のいかないもので、あれだけ「反市」(反市場勢力)周辺の関与者を株主に持つ企業が、本日(6月26日)上場を遂げたことにFACTAは抗議する。

    すでにモブキャストとA&Aへの質問状はこのブログに載せた。その最新号記事をフリーで公開しよう。それが東証に対するFACTAの満腔の抗議と受け止めていただきたい。

    ロックアップ期間中は「反市」株主も株を売れないだろうから、その間、良識ある投資家諸兄が空売りでも現物売りでもモブキャストの株価を存分に叩いて、彼らに食い逃げさせないようにすることを願う。

    そして、てんとして恥じない東証・斉藤惇社長、東証自主規制法人・林正和理事長にはあきれるばかりだ。あなたがたこそ、日本の資本市場を駄目にしていくA級戦犯だと思う。

  • 2012年6月21日金正勳准教授の経歴について慶應義塾への質問状

    慶應義塾の塾長、清家篤氏に申し上げたい。そりゃ、ないでしょう。

    大学院政策・メディア研究科の金正勲特任准教授の経歴詐称疑惑について、本誌の7項目の質問状に対する塾の返答は、およそ教育者たる資格があるのかと思われるほどのひどさだった。

    1)~7)の質問にはお答えできません。

    たった1行、これだけである。金准教授のブログでは、肩書に「特任准教授」と「特任」を入れなかったこととハーバード大学のvisiting Scholar を「客員教授」と訳してしまったミスだけを詫びている。

    そんな生易しいものでないことはお分かりになったはずだ。中央大学の学部卒業時に提出した「コミュニケーション論」を除けば、どこにも彼の査読論文がみつからない。論文も書いてない人間ということは、学者ではないということだ。それがハーバードはおろか、オクスフォード上席研究員、ドイツ国防大学上席研究員を「詐称」したのだ。

  • 2012年6月21日三菱東京UFJ銀行の荒木三郎常務に質問状

    6月28日、オリンパスと同じ日に日本武道館で株主総会を開きますね。公開した弊誌質問状について株主から質問が出た場合に備えて、もしかすると想定問答集の作成にお忙しいところかもしれません。広報・企画担当の常務として、誠にご苦労さまです。

    どうやら、弊誌の報道は「ニイウスコー事件当時に流れた怪文書の水準で、取るに足らない」とかわすおつもりとか。甘いなあ。そんなマジノ線(第一次大戦でフランスがドイツ国境に敷いた要塞線)じゃたちまち破られますよ。

    KPMG FASの報告書の写真に「DRAFT」とあったのに縋って、あれは最終版ではないと言い逃れする気なら、最終版を公開してもらいましょう。ほかのページも世間にさらさなきゃなりませんが、果たしてできますでしょうか?

    いや、公開しなくてもいいですが、金融庁にはどう説明するのですか。必ず真偽の照会が来るでしょう。その説明の論理構築のほうがいまやるべきことかもしれません。

  • 2012年6月20日大証の不名誉な記録が85日でストップ、物笑いの種に

    大証がついにFACTAに白旗をあげました。昨日(6月19日)午後の取引終了後、セラーテムテクノロジーの上場廃止を発表したのです。一昨日(6月18日)に公開したブログ記事で「不名誉な記録を更新中」と指摘され、慌てふためいたのかどうかは知りません。が、セラーテムが6月15日に提出した四半期報告書に対して監査法人が「結論を表明しない」と通知してから、上場廃止の決断までわずか2営業日余り。イカサマ企業にやさしいことで有名な大証とは思えない早業でした。

    でも、不名誉な記録は消えません。東京地検特捜部がセラーテム社長の池田修と元取締役CFOの宮永浩明らを金融商品取引法違反(偽計)の嫌疑で逮捕したのが今年3月6日。証券取引等監視委員会が法人としてのセラーテムおよび池田、宮永の三者を告発し、特捜部が起訴したのが3月26日のことです。証券監視委の告発から上場廃止決定まで85日もかかったのは、過去の最長記録であるライブドア(東京証券取引所マザーズ)の31日の2.7倍以上という前人未踏の新記録。東証の記録を大証が塗り替えたという意味でも、歴史に残る壮挙でしょう。大証の米田道生社長と社外取締役兼自主規制委員会委員長の川本裕子女史には、お祝いを申し上げたい。

  • 2012年6月19日モブキャストへの公開質問状

    交流サイト(SNS)のソーシャルゲームで、「コンプガチャ」の射幸性が社会的に騒がれているなかで、独立系プラットフォームの「モブキャスト」(3664)が6月26日に東証マザーズに上場される。

    14日に公開価格が決まり、仮条件(640~800円)(単位100株)上限の800円となり、6月18日から21日までの申し込み期間である。

    本誌はモブキャスト上場に疑義を呈する。その理由は最新号「『ハイエナ』同伴のモブキャスト上場」をお読みください。上場承認を与えた東証、主幹事証券の三菱UFJモルガン・スタンレー証券、マーケットメーカーとして参加する大和、SBI、岩井コスモ、丸三、いちよし、岡三の証券各社の非常識を批判するため、本誌がモブキャストと監査法人のA&Aパートナーズに送った質問状を公開する。

  • 2012年6月18日三菱東京UFJ銀行への公開質問状

    FACTAオンライン版では6月18日18時(今月号は印刷工程の関係で18時の公開とさせていただきます)からオンライン会員に記事が公開されますので、それと同時に最新号に掲載されている「三菱東京UFJ銀行の『仮面』<上>」で、同行に送った質問状をこのブログで公開します。弊誌は1年前、オリンパスに粉飾の疑いのある内外の合併案件について質問状を送り、同社の不正を暴くことができました。今年の標的はメガバンクの雄、三菱東京UFJ銀行です。弊誌は2008年に民事再生法を申請し、元会長と元副会長が逮捕・起訴されたニイウスコー事件で、メーンバンクの三菱が果たした役割を再検証しました。その調査報道の第一弾が最新号に掲載されています。記事と併せて、質問状をお読みいただければ、問題の所在がどこにあり、その回答のどこが致命的かがお分かりになると思います。

  • 2012年6月18日オンライン版公開は18日夕から

    FACTAオンライン会員向け限定のサービスとして、本誌は毎月18日正午から最新号がこのサイトで読めるようになりますが、今号は都合により公開時間を遅らせ、本日(18日)午後6時30分からといたします。

  • 2012年6月18日“三流証取”の大証が、不名誉な記録を更新中

    大阪証券取引所にとって、先週金曜日(6月15日)は踏んだり蹴ったりでした。この日は、本誌が疑惑を追及してきたジャスダック上場企業、セラーテムテクノロジーの四半期決算書の最終提出期限であると同時に、3月に東京地検特捜部に逮捕・起訴されたセラーテム社長の池田修と元取締役CFOの宮永浩明の初公判が東京地裁で開かれたのです。

    本誌は次号の記事(ウェブサイトは6月18日18時公開、雑誌は20日発売)で、セラーテムの不正に見て見ぬふりをしてきた大証、監査法人、顧問弁護士、監査役、社外取締役など「共犯者」たちの醜悪な責任逃れを追及します。しかし発行日の関係で、締切をぎりぎりまで引っ張っても6月15日の出来事の反映は無理。そこで、記事よりも一足早くブログで補足するとしましょう。

  • 2012年6月15日水俣病の故原田正純医師と「暗いはしけ」

    私にとって水俣病はサンクチュアリーである。

    熊本日日新聞の論説委員長、高峰武氏とはもう20年近く前に知り合い、彼の生涯テーマである水俣病の本をたびたび贈っていただいた。ほとんど半世紀近くに及ぶ熊日の追跡は、地方紙としてというより、ジャーナリズムとして脱帽するほかない。断じて忘却の彼方に去らせまいとするその姿勢は、内心敬服するほかなかった。

    それに、私が駆け出しの記者だった時代に読んだ石牟礼道子さんの『苦海浄土』は、息をつめて読んだ本である。よくあるアジ調の告発ではなく、あんなに詩的な優しい文体で怒りを書くことができるなんて驚きだった。今でも自分はとうてい及ばないなと自戒している。

    その水俣病の研究と患者救済に一生を捧げた原田正純医師のことも聞き及んではいたが、6月11日に77歳で亡くなられたと聞いて瞑目していた。ある知人から熊本学園大学水俣学研究センターの追悼文を教えてもらった。インターネットで読めるという。それによると、原田先生は、人生最後の数週間をアマリア・ロドリゲスの「暗いはしけ」を聞きながら過ごしたそうです。

  • 2012年6月14日恥ずかしくないの? 読売「記者が選ぶ」の書評

    今は編集期間のブラックアウト中だから、このブログを書く時期ではないのですが、目を疑うような記事を読んだのでちょっと一言。

    6月10日付の読売新聞朝刊読書面「記者が選ぶ」の項目で、『オリンパスの闇と闘い続けて』(浜田正晴著、光文社、1400円)の書評が載った。

    オリンパスの内部通報制度を信じて、上司を内部告発したら、その窓口から上司に筒抜けで、左遷され干されたオリンパス社員が書いた本である。裁判所に訴えて高裁で逆転勝訴したのは、本誌が菊川剛元会長らの損失隠しと穴埋めのための巨額粉飾を暴いたのと同時期だった。もちろん、両方ともオリンパスの体質の一端を象徴していたから、オリンパスの事件化とともに、浜田さんがその闘いの記録を本にすることは当然だし、その勇気は本誌も敬服している。