阿部重夫発行人ブログ「最後から2番目の真実」

  • 2012年5月28日チームFACTA『オリンパス症候群』の自薦

    自分たちで書いた本を宣伝するのは気恥ずかしいのですが、小生のほか高橋洋一、磯山友幸、松浦肇の4人でチームを組んで書いた『オリンパス症候群』(平凡社、1680円、税込み)が出版されました。

    オリンパス関連では、これまで弊誌に記事を書いてくれたフリーランス記者、山口義正君の『サムライと愚者』(講談社)、解任された元社長マイケル・ウッドフォードの『解任』(早川書房)が出版されていますが、今度の本はオリンパスを糸口にした「日本株式会社」論と言ったほうがいいかな。

    なぜ20年間も不正が見過ごされたかという問いから、時間軸を四半世紀前までさかのぼって、日本の「オンリー・イエスタデー」を書こうとしました。オリンパスはその症例の一つであり、読者から小生がよく受ける質問――第二のオリンパスはありますか、という問いに「イエス」と答える内容です。

    なぜなら、オリンパスに限らず、日本企業全体に蔓延する「共犯」構造がある限り、不正を不正と感じていない予備軍はいくらでもあるからです。胸に覚えのある方々はぜひ読んでみてください。これは僕らの宣戦布告であり、ひとたび不合理に食いついたら放さないつもりだからです。

  • 2012年5月20日SBI幹部諸氏への投降勧告

    将軍様支配下のSBI人民民主主義共和国の幹部諸兄に呼びかけます。本誌の北尾マジック追及シリーズも今号で第五弾に達し、いよいよ中枢に触れてきたことはお察しかと存じます。38度線の南から、将軍様についていくかどうか、お迷いの方々にサジェスチョンしましょう。

    もちろん、本誌はSBIを最後まで追う所存です。まだまだ材料は山ほどありますので、ネタに困ることはありませんが、これから先は個別攻撃になることを予告させていただきます。オリンパスのケースで、社長だったウッドフォードが、自らが罪に問われることを危惧したように、この泥船に最後まで乗っていたくない方々は、そろそろ降り時だと思います。

    将軍様が「戦うんだ」と口癖のように言い始めていますが、そばにいるあなたがたもご存じでしょう。これは勝ち目のない戦いです。海外のファンドや、国内の親密先とのツケ回しでちょろまかそうなんて、丸ドメなご当局相手ならいざしらず、FACTAのような海外にアンテナを持つメディアには通じません。実はウッドフォードのように”I was gob smacked.”と呟いていらっしゃるのでは。


  • 2012年5月18日オンライン読者への最新号公開は午後4時から

    本誌はオンライン読者限定サービスとして、雑誌郵送に先立って毎月18日正午から、ウェブ画面上で最新号の記事が読めるようになりますが、最新号の6月号については公開時間を遅らせ、本日(18日)の午後4時からにいたします。

    ギリシャ問題などで欧州の金融危機が再燃し、東京市場でも株価などに下押し圧力が働いて不安定な状態になっております。株価急落などの不測の事態を避けるため、東京証券取引所の引け後に公開時間をずらすことにしました。ご了承ください。

                                月刊誌FACTA発行人 阿部重夫

  • 2012年5月12日ラムズフェルド『真珠湾からバグダッドへ』のススメ

    2012年5月6日付熊本日日新聞の書評欄で、ブッシュ前政権の国防長官だったドナルド・ラムズフェルドの回顧録『真珠湾からバグダッドへ』(幻冬舎、税別2600円)を書評しました。

    同書には、ロンドン時代からの畏友、谷口智彦氏が優れた解説を書いていたので、それに触発されて書評で取り上げました。一般に自伝なるものは自慢話と自己弁護ばかりで、放り出したくなる内容の本が多いのですが、ラムズフェルドの腹蔵のない語り口と、本人の負けず嫌いむきだしの舌鋒のゆえに、波乱万丈で読み物として面白い。

    もちろん、自分はアメリカの専門家ではなく、いわんや、ネオコン諸氏とはお会いしたことがない。ネオコンの元祖とされるレオ・シュトラウスに興味があって、コジェーヴやシュミットを少々聞きかじったにすぎない。そのささやかな知識の範囲内で、このタフガイを論じられるか、ちょっと挑戦してみた。

    原題のタイトルは、15世紀の二クラウス・クザーヌス『知ある無知』De docta ignorantiaをすぐ連想させる。でも、プリンストン大学出とはいえ、アマチュア・レスラーだったラムズフェルドが読んだかどうかはおぼつかない。そういう思弁とは対極の人のようである。