SBIに出した第4質問状と同じく、SBIアラプロモ(SBIファーマに社名変更)の怪しい「益出し」――特別利益計上の根拠について、株式の一部売却先であるネクシィーズと監査法人のトーマツに問いただしたものです。
まずはネクシィーズの近藤太香巳年社長あてに。
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(株)ネクシィーズ
代表取締役社長
近藤太香巳年様
SBIグループとの取引について
ファクタ出版株式会社
月刊FACTA発行人 阿部重夫
拝啓
時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。ご承知かと存じますが、弊誌はSBIホールディングス(“以下SBI”)についての記事を2012年1月号、4月号で掲載しております。同社は本誌に対して名誉棄損の損害賠償請求を東京地方裁判所に提訴しておりますが、本誌はさらなる記事を準備中であり、先日発表された御社とSBIホールディングスの取引についてお尋ねさせていただければ幸甚と存じます。質問は以下の通りです。
1)3月30日、SBIは、関連会社のSBIアラプロモ(株)(以下アラプロモ)を「複数の事業会社等」に5.83%売却し、約42億円の特別利益を2012年3月期に計上すると発表いたしました。この今回取得した「複数の事業会社等」の中に御社ネクシィーズは含まれているのでしょうか?
2)御社の2011年9月期有価証券報告書の中には、御社が投資有価証券としてアラプロモを194株、帳簿価格199,542千円で保有していると記載されています。2010年9月期には保有されていませんでしたので、2010年10月~2011年9月の間に取得されたと思いますが、取得されたのはいつですか?
3)御社有の価証券報告書上のアラプロモ株の簿価は一株102.8万円となります。アラプロモはSBIの決算説明会資料によれば、2011年3月通期で営業損失11億円、2012年3月3Q累計で8億円の営業損失です。アラプロモの直近増資は2009年12月から2010年11月までの期間に行われた一株5万円であります(SBIライフサイエンス・テクノロジー投資事業有限責任組合の有価証券報告書より)。なぜ直近の増資時価格の20倍という高い評価で赤字会社の株式を購入されたのですか。御社の払った値段でのアラプロモの企業価値評価は700億円以上になりますが、そう評価した理由をお教えください。
4)御社の2011年9月期有価証券報告書の中には、「その他の投資有価証券」としてSBIイノベーションファンド2号投資事業有限責任組合900口を900,000千円、SBIブロードバンドファンド1号投資事業有限責任組合5口を335,043千円、SBIビービ-モバイル投資事業有限責任組合2口を157,571千円、SBI・NEOテクノロジーA投資事業有限責任組合2口を128,996千円、保有されています。これらの組合への投資も2010年9月期には記載がありませんので、2010年10月~2011年9月の間に取得されたと思います。これら4つのファンドのうち、SBIイノベーションファンド2号投資事業有限責任組合とSBIブロードバンドファンド1号投資事業有限責任組合は運用期間が終了しているはずです。SBIイノベーションファンド2号投資事業有限責任組合は出資者の当初出資額の100万円/口で評価されています。これらのファンドは誰からどういう事情で取得したのですか。
以上でございます。近藤社長が尊敬する北尾氏にもこの件で質問状を出しています。
御社も上場会社として株主に説明責任がありますので、お忙しいところ恐縮ですが、4月11日までに文書または電話か口頭でご回答いただきますようお願い申し上げます。敬具
4月6日