阿部重夫主筆ブログ「最後から2番目の真実」

2011年10月23日 [leaks]オリンパスと日経。そして4万人の従業員

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オリンパスの従業員は、3月31日現在の連結社員数で39,727人という。そのうちどれくらいの方がこのサイトを覗いてくれているのだろうか。金融庁、証券取引等監視委員会、国税など当局の方はどうだろうか。連日、多くのアクセスと応援メッセージをいただいていることに、この場を借りて感謝申し上げます。

週末だが続報を書きたい。

聞くところによると、オリンパス社内で厳重な情報管理令が出ているのだとか。「社内資料を取られるな」との大号令が下り、USBなどに落として抜かれないよう、各部署(の管理職?)は絞めつけられているという。だが、ウッドフォード前社長の提供資料のコピーは欧米で奔流となっており、法的措置云々の脅しをいくら会社が口にしようとも、菊川剛氏、森久志氏、山田秀雄氏の3人の名前は、「日本の恥」として世界的に知られまくっております。

ジャイラスから法外な手数料と優先株値上がり分をせしめて姿をくらましたAXAM/AXESも、元野村証券の日本人の名前が浮かびフォーチュンはじめ米国のメディアが追跡しているようですから、世界的な捕り物競争になっています。オリンパス首脳陣、気が気じゃないでしょう。

さらに嫌なのは、FACTAの第一報がウッドフォード前社長でなく(前社長はむしろFACTAの記事を読んで愕然としたと言っている)、別の情報源であることでしょう。いくら第三者委員会を設けて弁護士や公認会計士のお墨付きであのバカげたM&Aの不正を隠す「イチヂクの葉」にしようとしても、彼らの知らない新資料が出てくることが恐いとみえる。情報源をあぶりだそうとあの手この手で、御用新聞の記者を使ってあちこちでカマかけのガセ情報を流しているのは往生際が悪すぎませんか。このブログで2度ほど言及した日経出身の来間紘社外取締役も「(FACTAの)阿部と組んだ情報源」などと疑われているらしく、それはそれで気の毒ではあります。

来週24日、25日に帝国ホテルで行われる日経フォーラム世界経営者会議の講師に菊川氏が入っていたことは既に書きましたが、いつのまにか会議のサイトから菊川氏の顔写真と名前が消えており、「10月25日・セッション5の菊川 剛氏(オリンパス会長兼社長)登壇が、都合により取り止めとなりました」とのお知らせが出ている。実は菊川氏から「出席する」と言われ、事務方が困り果てていたというが、さすがに取り止めになったようだ。

菊川氏が宣伝担当の部長だったころ、日経の産業部や首脳陣がさんざん接待されたことが、筆が鈍っている原因だとは思いたくないが、その「都合」とやらを報じるのが経済ジャーナリズムの責務ではないか。今回の件に関してTwitterのコメントなどを読んでいると、日経はじめ大手メディアに対する失望感が溢れている。元日経記者としては虚しい限りである。

ところで、弊誌にとってはこの騒動はとんだ余禄となった。海外メディアは日本と違って、一番槍をつけたメディアの名を明記するため、弊誌も調査報道メディアとして報じられた。創刊以来、ひそかに亀鑑としてきた英国のThe Economistにも最新号で言及されたことは素直に喜びたい。

さて、オリンパスの技術力が高いことは誰もが認めるところ。すでにバラ売りしようと画策する金融機関も出始めているという。4万人の社員がどう動くのか注視したい。