阿部重夫主筆ブログ「最後から2番目の真実」

  • 2011年11月25日ウッドフォード氏と冷や汗英語

    24日夜は、The Economist誌の在京外国人ビジネスマン80人と内外メディアの記者50人を集めて開かれたThe Economist Corporate Networkのパネル・ディスカッションで、オリンパス元社長のマイケル・ウッドフォード氏と〝ご対面"しました。

    来日して当局(証券取引等監視委員会と地検)の任意聴取に応じたウッドフォード氏は、25日朝の取締役会に出席する予定で、その前夜に開かれることになったパネルに飛び入りで30分弱の基調講演をしたものです。東京・表参道の青山ダイヤモンドホールといえば、結婚式場で有名なところですが、この日はカメラがずらりと並んでものものしい雰囲気。会場に着いたとたんに、エライことになったと猛烈に緊張しました。ずっと使っていない英語で小生もスピーチをしなければならず、冷や汗たらたらです。

  • 2011年11月22日群栄化学は何をしてる?(オリンパス関連)

    オリンパスが損失穴埋めの資金ねん出のため、不当に高い値段で買ったアルティス、ヒューマラボ、News Chefの国内3社に投資していた他の企業がこっそりリリースを出しています。

    東証1部上場企業の群栄化学です。11月14日のリリースは奇怪でした。この3社に対し06年に第三者割当増資で0.6~0.5%の株主になっています。そしてオリンパスと同じように、11年3月期に減損処理し、簿価1円にしました。はて、何をしていたのでしょうか。その言い訳も奥歯にもののはさまったようで、どうも解せません。

    当社といたしましては、純投資として当社の業績に資するものと判断して投資を行っております。結果として減損処理を行う事態に至ったことにつきましては、大変残念であると考えております。

    なお、当社においては、下記の発行会社3社及びオリンパス株式会社との間には、下記の投資による株主と発行会社という関係及び同一の発行会社の株主同士という関係以外にご報告すべき関係はありません。

    ほんとですかね。横尾宣政氏のグローバル・カンパニーって、この手の妙な投資専門の請負人だったのでしょうか。とすると、そこから芋ヅル式にいろいろな上場企業が出てくるかもしれませんね。当局には「宝の山」かも。まさか、それを見過ごして、小さくフタをしようというのではないことを祈ります。

    そういえば、群栄化学は損失隠しが明るみに出た林原の買収に手を挙げていましたね。元水アメ屋さんの林原と、ブドウ糖で出発し工業用フェノール樹脂は専業では国内最大級となった群栄とは相性がいいのかと思いましたけど、「損失隠し」先に吸い寄せられる妙な癖をお持ちのようです。

    ところで、昨日のブログでご紹介したThe Economist Corporate Networkのセッションは、限定会員のみ参加できるものでした。問い合わせが殺到したようですので、一言申し添えます。

  • 2011年11月21日24日木曜にウッドフォード氏とご対面

    英国のThe Economist誌が、海外企業の在日幹部を集めて朝食会などを行っているThe Economist Corporate Network主催で、11月24日午後7時からThe Olympus Affair(オリンパス事件)というタイトルで緊急セッションを開きます。 来日するマイケル・ウッフォード元オリンパス社長も出席して20分ほどレクチャーします。そのあとでパネルディスカッションとなり、私も参加して7分ほどスピーチしてからパネラーとなります。

    パネラーは以下の通り。

    ・阿部重夫(FACTA発行人)
    ・Jonathan Soble(Financial Times Correspondent)
    ・Kenneth Cukier(The Economist Tokyo business correspondent)

  • 2011年11月19日オリンパス「飛ばし」の記事はとばしちゃいけない

    昨日(18日)は、弊誌ウェブサイトへのアセスが集中し、サーバーが一時アクセス不能となってご迷惑をおかけしました。弊誌の想定していたトラフィックを超えてしまったためで、お急ぎの方にご不便をおかけし、お詫び申し上げます。

    アクセスが集中した理由は、最新号のオリンパス関連記事2本を、雑誌発行に先行して購読者オンライン会員の皆様にウェブサイトで解禁したためです。市場関係者の注目を集めていたので、証券市場に不測の混乱を与えないよう、取引所が引けてからの解禁にしたのですが、想像以上の反響でした。

    関連エピソードを一つ。同日夕、弊誌に寄稿していただいている元財務官僚で現嘉悦大学教授の高橋洋一氏から電話があり、「オリンパス人脈図、思わず笑ってしまった。バブル崩壊後とおんなじことをやってるんだ。一見複雑そうに見えても、あれを見れば構図は単純。90年代は国内の関連会社に飛ばしていたけど、00年代は海外のSPC(特別目的会社)などに飛ばしている。相変わらずの同じ手口で、まだやってるのかと思った。面白いねえ」と言われました。

  • 2011年11月17日BNPパリバ(日本)への公開質問状

    FACTAはオリンパスだけ報じているわけではありません。

    欧州金融危機のさなか、ギリシャ、イタリア、スペインなどの国債利回りが急上昇していますが、南欧の国債保有が多く、倒産確率であるCDSのスプレッドも高止まりしたままのフランスの大手金融機関、BNPパリバの日本法人、BNPパリバ証券東京支店に対し、以下のような質問状を送りました。

    広報部の回答は「ノーコメント」。といいながらも「このようにはならないと思います」と意味不明の言葉を添えました。事実確認に対してノーコメントとした回答とは辻褄があわず、「日本から撤退しないという意味ですか」と問い直しても、「そこはノーコメントです」と面妖なお答えでした。

    さんざんレッドカードやイエローカードを食ったあげく、アーバンコーポレイション事件では松尾元検事総長まで駆り出して第三者委員会を設け、報告書を出しましたが、やはり根っこは変わらないようです。

    次号のオリンパス報道でも、同社の前身であるパリバ証券がオリンパスの投資ファンドをいかにむしったかが明かされきます。こういうのを「懲りない面々」と言うのでしょうか。第三者委員会がエクスキューズにすぎないことを証明した点で、オリンパスの先例と言えるかもしれません。

    この質問状から、次号でどんな記事が掲載されるか、お楽しみに。

  • 2011年11月16日12月号オンライン解禁について

    弊誌12月号のFACTAオンライン解禁は18日正午でなく、証券取引所大引け後の同日夕に解禁することにいたします。

    弊誌の記事により、株価の変動などが起き、不測の混乱を招くことを避けるためで、オンライン会員の方々にはご迷惑をおかけします。

    毎月20日発売の弊誌は、地域差はありますが、その日付の前後にご購読者のお手元に届くよう雑誌を宅配便でお送りしています。ただ、FACTAオンライン会員にご加入の方に限り、毎月18日正午をもってネット上で先に読める無料サービスを実施しております。

    しかし今回の12月号については、18日(金)正午では証券市場が開いている最中であり、株価を変動させる恐れがありますので、証券市場が引けた同日夕に解禁することにいたします。それ以前に弊誌をご購入したいとのご要望には、上記の理由により応じかねますのでご了承ください。

    ご購読者でオンライン会員に加入されていない方は、このウェブサイトの中の「オンライン会員登録」で予めご加入の手続きをお願いいたします。年間定期購読者以外の方にはこのサービスを実施しておりませんので、早くネットで読みたい方は雑誌のご購読申し込みからお申し込みください。オンライン会員にも同時に加入できるようになっております。


    FACTA出版株式会社

  • 2011年11月14日ブラックアウトから出ます

    まず先のブログで不正確な表現があったので直します。

    10月24日付で「野村の元オリンパス担当、S氏の独り言」と見出しにありますが、「元」の位置が誤解を招くので「元野村のオリンパス担当、S氏の独り言」と修正します。

    報道合戦が食い散らかし状態になってきて、放置してると自分で確認もせずに、一人歩きし始めるからです。ブログで取り上げたS氏の「闇株新聞」は11月10日付「オリンパスの闇・5」でこう書いています。

    一部報道機関が、私のことを「オリンパス担当の証券マン」と書いているようですが、間違いです。「担当の証券マン」だったら信義上、書きません。

    その通りですね。野村を辞めてから別の外国証券会社にいて、オリンパスの損失隠しを知る立場にいたので、確かに不正確でした。訂正します。

    それにしても、海外の後追いを強いられた日本の大手メディアは、ようやく当局が動き出してくれたので、当局リークに基づく「方針」原稿に舞い戻ったようです。それを「いやな感じ」というS氏の危惧はよくわかります。

    某大手テレビ局にいたっては、弊誌に電話をかけてきて「入手した資料のPDFをくれないか」と、マスコミの仁義にもとることを平気で言ってきました。

  • 2011年11月 9日エミールより、探偵たちへ

    ブラックアウト中なので一言だけ。

    日本の新聞、テレビ、通信社。9日の報道はどこも食い足りない。そんなありきたりの見出しじゃ、後追いを脱せられないでしょう。

    FACTAは次号もひやっとするような記事を書きます。もっと喉元を深くえぐるような。今のままでは、山高帽の本星は高枕ですぞ。

    ファイト! 闘う君の唄を 闘わない奴は笑うだろう。

  • 2011年11月 8日うれしいな、オリンパスの会見にでられる

    本日のリリースで90年代からの損失飛ばしを認め、12時半から京王プラザホテルで社長会見だそうです。

    今回はFACTAの出席が認められました。やれ、嬉しや。初対面ですね。最初の質問状以来、苦節4カ月半。ここは素直に喜びましょう。

  • 2011年11月 7日オリンパスには「エミールと探偵たち」

    今週はブラックアウト(通信途絶)に入ります。宇宙船が大気圏に再突入する際、高熱の炎につつまれて交信ができなくなる状態を、停電の意味もある「ブラックアウト」と言います。オリンパスについては逐次コメントをしてきましたが、これから編集期間に入るのでしばらく発信できなくなります。ブログは来週から復帰します。

    そのあいだは「エミールと探偵たち」の一幕を眺めていよう。

    エーリッヒ・ケストナーのあの本、ご存じの方も多いと思います。岩波少年文庫に池田香代子訳がありますから、未読の方はぜひ読んでみてください。

    大都会ベルリンで繰り広げられるあの捕物、ありきたりの児童書にないリアリティーに満ちていて、耳慣れない地名も憧れの固有名詞でした。自分が新聞記者になったのも、もしかしたら、作者のケストナーが新聞記者だったせいかもしれません。

  • 2011年11月 4日ギリシャのようにオリンパスも烙印

    オリンパスの社名の由来はギリシャの神々が住むオリンポスの山の名から来ています。そのご本尊ギリシャのダッチロール(国民投票やら首相退陣やら)を見習ったみたいに、日本のオリンパスもよれよれです。

    いまやギリシャは「自助努力をしないダメ国家」の代名詞。日本のオリンパスも「自浄能力のないダメ企業」の代名詞になっています。11月4日にはとうとう、8日に予定している第2四半期決算発表を延期すると発表しました。

    第三者委員会の報告を待ってなどと悠長なことを言っていますが、ほんとうはジャイラス関連ののれん代償却をめぐって、監査法人と一致しないのでしょう。

  • 2011年11月 2日オリンパス第三者委員会はいらない

    しばらくブログを休んでいたら、もう追加情報はないのですかという問い合わせを頂いた。FACTAが鳴りをひそめる時、これは潜航取材をしている時なので、オリンパスへの取材の手を緩めていたわけではありません。先日の弊誌コラムでも引用しましたが、あいだみつをが言ったとおりなのです。

    よくまわっているほどコマはしずかなんだな。

    さて、11月1日にオリンパスはまたリリースを出しました。もしかしたら、11月8日の中間決算発表の延期かと思いましたら、今回の件を調査する第三者委員会を発足したという発表でした。